「遺族の存在アピールすることが闘い」サリン事件26年

 オウム真理教による「地下鉄サリン事件」から20日で26年となった。標的にされた東京メトロ霞ケ関駅(東京都千代田区)では発生時刻に近い午前8時、駅員ら13人が献花台の近くで黙禱(もくとう)し、犠牲者を悼んだ。

 助役だった夫の高橋一正さん(当時50)を奪われた妻のシズヱさん(74)も献花に訪れた。「悲しみが薄らいでいくことはない。教団の後継団体が存続する限り、私たち(遺族)の存在をアピールしていきたい。それが闘いです」と話した。

 静岡県の鉄道会社員の男性(56)も「事件を忘れないようにしたい」と話し、手を合わせていた。

 新型コロナウイルスの感染防止対策のため、霞ケ関駅で一斉に黙禱をする職員は昨年の半数ほどに絞られた。ほかの職員は個別に慰霊した。多くの被害者が救出されるなどしたほかの5駅にも終電の時間まで献花台が設けられる。

 事件では、オウム真理教が地下鉄日比谷線、千代田線、丸ノ内線の計5本の電車でサリンを散布し、乗客と駅員の21~92歳の14人が亡くなり、6千人以上が負傷した。松本智津夫・元代表ら13人の教団元幹部の死刑は2018年7月に執行された。(鶴信吾)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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