政府は、災害時に市町村が出す避難情報のうち「避難勧告」を廃止し、「避難指示」に一本化する方針を固めた。二つの区分が併存する現行の制度は、違いが分かりにくいとの意見があったためだ。内閣府の作業部会で今後、新たな案を取りまとめ、国会に災害対策基本法の改正案を提出する構え。複数の官邸幹部が27日、明らかにした。
避難勧告と避難指示は1961年に同法で規定された。現在の内閣府の指針では、避難勧告は避難に必要な時間などを考慮して前もって発令される情報で、避難指示は災害発生の切迫度が高まって住民に重ねて避難を促す場合などに自治体が出す。
避難情報などを5段階の危険度で示す「警戒レベル」が昨年5月に導入された際、勧告・指示とも上から2番目のレベル「4」に位置づけられた。
だが、勧告と指示を巡っては災害が起きる度に、「違いが分かりづらい」などの課題が指摘されていた。内閣府が今年1月、昨年秋の台風19号で被災した市町村の住民約3千人を対象にアンケートを実施。両方の情報の意味を正しく理解していた人は2割に満たなかった。内閣府が設けた専門家の作業部会は昨年秋以降、住民が適切なタイミングで避難行動をとれるよう、避難情報のあり方について議論を続けている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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