「酌量すべき点はない」JR宇都宮線の傷害事件、懲役2年の実刑判決

　JR宇都宮線の車内で男子高校生を蹴るなどして大けがをさせたとして、傷害や強要、公務執行妨害の罪に問われた宇都宮市の無職、宮本一馬被告（29）の判決公判が19日、宇都宮地裁栃木支部であった。片山憲一裁判長は「非常に悪質」などとして、懲役2年（求刑懲役3年）を言い渡した。

　判決によると、宮本被告は1月23日、栃木県下野市内を走行中のJR宇都宮線の車内で電子たばこを吸っていたところ、注意してきた高校生を土下座させ、顔を蹴るなどして約4カ月の大けがをさせた。取り調べにおいても、担当した検察官に対して「ボコボコにするぞ」などと脅した。

　片山裁判長は電車内での行為について「動機及び経緯に酌量すべき点はない」とし、被告が反省していることなどを考慮しても「実刑はやむを得ない」と結論づけた。（石原剛文）