市野塊、久永隆一、岡林佐和
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緊急事態宣言で飲食店の酒類提供をやめる措置がとられたために家庭での飲酒量が増え、家庭内暴力(DV)が多発するのではないか――。そう政府が警戒し、大型連休中も相談窓口の利用を呼びかけている。
コロナ下のDV相談、17万件超
政府の有識者研究会が28日に公表したコロナ禍の女性への影響を分析した報告書によると、昨年4月~今年2月に全国の配偶者暴力相談支援センターなどへ寄せられた相談数は17万5693件で、前年同期の1・5倍になった。在宅時間が延び、身体的暴力だけでなく、言葉での攻撃や生活資金を渡さないといった暴力が起きていると指摘する。
研究会の委員を務める武藤香織・東大医科学研究所教授は、今回の緊急事態宣言について「家にいるようにとメッセージを出し、外では酒類の提供を制限する。家の中で何が起きるのか心配がある」と述べ、支援や対応の強化を訴える。
DVなどの相談を受ける特定非営利活動法人「かながわ女のスペースみずら」(横浜市)によると、一緒に過ごす時間が長くなり前からある夫の精神的暴力に拍車がかかったケース、就職難などの問題を背景とした恋人間の争いなどが目立つという。同法人の阿部裕子理事は「緊急事態宣言が出て、DVが激化しても支援が届かないのではないかと心配だ」と話す。
内閣府は、連休中も相談窓口「DV相談+(プラス)」の電話(0120・279・889)とメールで24時間の対応を取る。チャットでの相談も正午~午後10時に受ける。(市野塊、久永隆一、岡林佐和)
「コロナ禍は女性に大きな影響」
政府の有識者研究会が28日に公表した報告書は「雇用と経済」「女性への暴力」「健康」「家事育児などの無償ケア」の4分野でデータを検証し、コロナ禍がとりわけ女性に大きな影響を与えていることを浮かび上がらせた。ジェンダー格差が大きい社会構造が背景にあるとして、この国にいまだ根強い「女性の収入は家計の補助」という考えも改めるときだと訴えた。
報告書は、内閣府が設けた「…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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