「酒禁止 殺されたよう」名古屋・錦三のバーマスター

 コロナ禍で飲食店の苦境が続いている。中部地方を代表する歓楽街・錦3丁目(名古屋市中区)で半世紀近く「夜の街」を見守ってきたバーのマスターはいま、何を思うのか。

〈さやま・よしのり〉 山梨県出身。20代前半で錦地区のバーの立ち上げに関わり、老舗高級クラブ「栴檀(せんだん)」のチーフバーテンダーなどを経て、1985年、錦3丁目にバー「アクアヴィット」を開店。2015年から愛知県社交飲食業生活衛生同業組合の理事長。70歳。

さやま・よしのり 山梨県出身。20代前半で錦のバーの立ち上げに関わり、老舗高級クラブ「栴檀(せんだん)」のチーフバーテンダーなどを経て、1985年、錦3丁目にバー「アクアヴィット」を開店。2015年から愛知県社交飲食業生活衛生同業組合の理事長。70歳。

――コロナ下で店の経営はどのような状況ですか。

 「最初の緊急事態宣言が出たのが昨年4月。それ以来、売り上げはゼロに近い。数百万円の融資を無利子で受けたが、店の家賃などで全部使った。コロナ後にもうけて返したいけれど、駄目だったら店をつぶすしかない」

 「ほかの店も悲惨な状況だ。錦(にしき)に来るのは大企業の社員が多いから、会社で飲み会自粛が通達されれば社員は破るわけにいかない。私の知り合いに限っても3軒のバーやラウンジが閉じた。実際はもっといる。錦は家賃が高いから負担も大きい。要請を無視して営業している店は満員だ。でも、やらざるを得ない事情もわかる」

 ――11日が期限のまん延防止等重点措置で、名古屋市は酒類提供が午後7時、営業は同8時までとされました。

 「緊急事態宣言中は休業にしていたので、酒が出せないよりはましだよ。7時じゃどうしようもないから、せめて10時か11時までになればいいが。急に深夜までOKになっても、こちらも身体がついていけないし」

コロナ落ち着いたら宣伝して

 ――夜の街が感染源だとして批判された時期もありました。

 「錦が錦がと、何かにつけて錦の名前を出される。感染者が出ていたのも事実だったが、錦だけ時短で、少し離れると感染対策をしていない店が満員だった。コロナが落ち着いたら、今度は逆に、錦に飲みに来てと行政に宣伝してもらいたいね」

 ――アフターコロナをどうみていますか。

 「規制が解除された後の方が…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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