6日に開幕した第101回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催)に広島県代表として出場する広島商の選手らが同日朝、大阪府池田市の宿舎で原爆の犠牲者らに黙禱(もくとう)を捧げ、野球ができる平和の大切さをかみしめた。
爆心地から約2・2キロにあった同校の校舎は全壊し、市中心部で建物疎開作業にあたっていた生徒と教職員計130人余が犠牲となった。焼け野原から練習を再開した野球部は12年後の1957年、4度目の全国制覇を果たし、広島の街に勇気を与えた。今年の出場は15年ぶり23回目で、7度目の優勝を目指す。
「色んな先輩方のおかげで平和に野球が出来ることに感謝しよう」。祖父を原爆で亡くし、祖母と母も被爆者という荒谷忠勝監督(42)がこう呼びかけた。選手らは広島へ向かって整列し、午前6時半に黙禱を捧げた。
投手の中尾要一郎君(3年)にとっても、8月6日は「命の大切さに思いをはせる日」。幼い頃、祖父から原爆で破壊された街の様子を聞いて育った。「戦争で大会も中止になり、野球をしたくても出来なかった人がいた。その人たちの思いとともに臨みたい」(高橋俊成)
【動画】思いを託された「モノ」をめぐる、人々の物語=西田堅一、上田幸一撮影
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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