金の玉はもうシワシワになりません――。先月中旬、大須商店街連盟(名古屋市)のツイッターアカウントがそんなつぶやきを投稿しました。アーケードにつり下げられた直径約3メートルの「金の玉」を新調したというのです。
設置の由来は
金の玉の設置は、2009年に商店街で開催されたイベント「金の玉ころがし」に由来します。
当時、新天地通と東仁王門通が交差する「まねき猫広場」にアーケードを設けることになり、片方は金の柱、もう片方は銀の柱を立てることになりました。
ところが、どちらも「金がいい」と譲らなかったため、それぞれの通りで金色の玉を1個ずつ転がして広場に向かい、先に到着した方に金の柱を立てることに。
勝負は東仁王門通側の勝利で、そちらに金の柱が立てられました。
その後、玉転がし用に特注した金の玉のうちの1個を「せっかく作ったのだから」と、どちらの通りでもない仁王門通のアーケードにつるすことになりました。
金の玉は中身が風船のようになっていて、夏はパンパンにふくれ、冬はしぼむなど手入れが大変だったため、数年前にいったん撤去。
ところが昨秋、新型コロナウイルスで地元の祭りが中止になったことを受けて、「代わりに何か盛り上がることをしよう」と復活しました。
取り寄せた塗料を使って自分たちで金色を塗り直し、1週間に1回のペースで抜けた空気を補充してきました。
新調のきっかけは
そんな金の玉を先月、発泡スチロール製のものに新調。きっかけは「Go To 商店街」事業でした。
「金の玉復活祭」として撮影スポットを設置し、玉を背景に撮影してSNSに投稿した人に、大須ならではの土産をプレゼントするという事業が採択されたのです。
「直径3メートルだったのものが2.3メートルにやや小さくなりましたが、空気が抜けてシワシワになることはありません。みなさんニコッと笑いながら撮影しています」と大須商店街連盟の専務理事・中野浩幸さん。
集客を伴う商店街イベントなどを全国一斉に停止している関係で、復活祭も現在中断していますが「再開したらぜひ金の玉を撮影しに来てください」とのことでした。(若松真平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル