警察庁は、インターネット上の違法、有害な情報を把握し、書き込みの削除を求める取り組みを強化する方針を決めた。昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件をふまえ、銃や爆発物に関する情報などを監視事業の対象に加える。人工知能(AI)を使ったサイバーパトロールのシステムの導入も検討している。
SNSへの投稿などを含むネット上の情報の監視は、警察庁が委託する「インターネット・ホットラインセンター」の事業を請け負う民間業者が担っている。現在は、児童ポルノなどのわいせつ関連や覚醒剤などの規制薬物、特殊詐欺に関する情報などの「違法情報」が対象で、一般から寄せられた情報を精査した上で、警察に通報したりサイト管理やプロバイダーに削除依頼したりしている。自殺に誘う書き込みも「有害情報」として対象となっている。
安倍氏への銃撃事件で逮捕、起訴された山上徹也被告(42)は、ネット上で得た動画を参考にして銃を手作りしたとされる。しかし、こうした銃などの製造に関する情報は監視の対象になっていなかった。
このため、今回、ホットラインセンターの運用ガイドラインを改訂し、有害情報として、銃などに関する情報を加える。新たに対象にするのは、生命・身体に危害を加える危険性や緊急性が高いと判断される情報で、▽拳銃等の譲渡等▽爆発物・銃砲等の製造▽殺人、強盗、強制性交等、放火など▽臓器売買▽人身売買▽硫化水素ガスの製造▽ストーカー行為等――の7類型。3月1日から取り扱いを始める。
拳銃などの譲渡では、プラスチック製のエアソフトガンでも金属製部品と交換して金属製弾丸を発射できるものも該当する。銃砲の製造では、3Dプリンターなどを使った設計図の情報などが対象になるという。
違法情報の削除依頼2200件
ホットラインセンターの監視…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル