「関係人口」という考え方 奪い合わずにシェアして課題解決を

地方季評 田中輝美さん

 64万人。何の数字かというと、日本で2021年に人口が減少した数だ。私が暮らす島根県の人口と大きく変わらない。減少は当面続き、幅が拡大するという推計もある。では、これからの人口減少にどう向き合っていけばいいのか――。ヒントになるのが、交流人口でも定住人口でもない第三の人口の考え方「関係人口」だ。

 16年ごろに生まれた新しい言葉で、離れている特定の地域に愛着を持ち、商品を継続的に買ったり、通ってイベントやお祭りを手伝ったりする人たちを指す。どの地域でも思い当たる、または、自分自身が当てはまっているという人もいるかもしれない。

 関わる側から見ると短期間訪れる交流や観光ではなく、長期間暮らし続ける定住でもない、間にある新しい地域との関わり方だ。地域側から見ると観光客よりも関わりが深いが定住はしない人たちで、「観光以上、定住未満」とも言われる。政府が「地方創生」の一環で推進し、全国の自治体を中心に知られるようになった。

 人口減少に伴い、各地で引っ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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