「除菌志向」進む日本 「無敵の人」を「無敵」でなくすのは相互接触

識者に聞く京アニ事件③ 評論家・與那覇潤さん

 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)への判決が25日、京都地裁で言い渡されます。こうした事件を再び起こさないために、何ができるのか。識者とともに考えます。

 日本近現代史に詳しい評論家の與那覇潤さんは、自身も過去にうつで離職した経験があります。現代日本のどんな潮流が事件に結びついたのか、聞きました。

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 《自分の人生を振り返ったとき、下着泥棒も、強盗もそう。人とのつながりが完全になくなったときに犯罪行為に走るという共通点があるんです》(青葉被告、昨年9月14日の被告人質問で)

 36人を殺害し、32人を負傷させた青葉被告は、理解不能なモンスターと見なされてもやむを得ません。しかし裁判の記録に接したとき、冒頭に引用したような発言に衝撃を受けました。

 「小説を盗用された」という妄想から凶行に及んだ被告が、自分のことは意外なほど冷静に把握していた。逆に言えば、一定の理性が備わっていたにもかかわらず、犯行を抑えられなかった。どこかで止められなかったかと思うと、言葉にできないむなしさを覚えます。

秋葉原殺傷や安倍氏銃撃との共通点

 青葉被告自身が認めるように…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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