障害者が特別扱いされず、健常者と同じように暮らす。そんな「多様性」を包摂する社会に、日本はなっているのでしょうか。22年前に「五体不満足」を著し、世間から長らく障害者の代表と見られてきた作家の乙武洋匡さん(43)に、思いの丈を語ってもらいました。
――一人ひとりが違う=多様性。この言葉が最近よく使われるようになっています。
「お互いの『違い』を、もっと理解しないといけないという共通認識が、日本社会に広がってきたように思います。私が『五体不満足』を発表した当時は、障害といえば、私のような身体障害を指すことが多く、発達障害という概念は知られていませんでした。性的マイノリティーの様々な特徴を表すLGBTという言葉もほとんど使われることはありませんでした」
――「五体不満足」は、日本社会が、障害者の存在を再認識するきっかけになりましたね。
「多くの人が障害者を身近に感じるようになったかな、とは思います。厳然と存在していた健常者と障害者の垣根を、少しは壊すことができたのかもしれません。でも、あの本には『功』だけでなく『罪』も大きかったように感じています」
――障害者といっても、ひとくくりにできないことへの理解が進まなかった、ということですか。
「あの本を読んで『明るく元気…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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