「隣人」目指す小劇場 演劇人ら資金募り京都に「E9」

 京都駅の南東、鴨川沿いの住宅街に22日、約90席の劇場「THEATRE E9 KYOTO」(京都市南区東九条南河原町)がオープンする。市内で、民間の小劇場が相次ぎ閉館する状況に危機感を抱いたアーティストらが、クラウドファンディングや企業の支援を募り、貸倉庫を改修した。

 4月、京都市内で、今夏から来春にかけたオープニングプログラムの発表会見があった。京都を拠点とする劇団「MONO」の土田英生(ひでお)や、舞踊家・田中泯(みん)など公演を予定するアーティスト約30人が出席。土田は「京都に公演できる場所が少なくなり、気に病んでいた。面白い劇場ができたと思ってもらえるような、演目を出したい」と語った。

 京都市内では2017年、劇団「マレビトの会」なども活動した、アトリエ劇研(旧アートスペース無門館)が、約30年の歴史に幕を下ろした。他にも、所有者の高齢化や建物の老朽化などを理由に、民間小劇場が次々と閉館。アーティストの流出につながりかねない――。替わりとなる場をつくろうと、元劇研ディレクターのあごうさとしや、現代美術家やなぎみわらが中心となり、一般社団法人を設立した。

 館長に就いた、狂言師の茂山あきらは、旧無門館で公演経験がある。「若者はまずは実験、ですからね。京都発のものづくりの場所が必要でしょう」

 改修などにかかった総事業費約1億9千万円は、クラウドファンディング、活動に理解を示した市内外の企業の協賛金や金融機関からの融資で調達。2階には「コワーキングスペース」を入居させ、家賃収入も得られるようにした。

 開館にあたり、力を入れたのが…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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