「雨ニモマケズ」宮沢賢治の世界観に共感 没後90年、閉塞感の中で

 詩人・宮沢賢治が亡くなって21日で90年を迎えた。代表作「雨ニモマケズ/風ニモマケズ……」に象徴されるように、大地に根を張って生きようとした賢治の人生や独特の世界観は、閉塞(へいそく)感が漂う今、多くの人を魅了し、共感を呼んでいる。

 この日は賢治が生まれた岩手県花巻市で「賢治祭」が開かれ、数百人が思いを寄せた。「雨ニモマケズ」を朗読した花巻小3年の小原ひなのさん(9)は「賢治さんには、すてきな詩や童話を残してくれてありがとうと伝えたい」と話した。

 賢治は37歳で早世し、生前に刊行されたのは詩集「春と修羅」と童話集「注文の多い料理店」の2冊のみ。一方、残された草稿を基に刊行された「銀河鉄道の夜」など、その作品群は多くの人に読み継がれてきた。

 「『(文中に出てくる)クラムボンって何?』と疑問に思っても、誰もわからない。でも、その『わからなさ』が、賢治作品の最大の魅力」

「賢治は『競争』という言葉が大嫌い」

 国立天文台水沢VLBI観測…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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