「霧」と「音響」の彫刻が語る 70年大阪万博の記憶

 「霧の彫刻」と「音響彫刻」。1970年大阪万博ゆかりの二つの展覧会が、いずれも京都市立芸術大学の主催で開かれている。

 JR京都駅の東南に位置する、京都市南区東九条の北河原市営住宅跡地に出現したのは、70年万博ペプシ館での発表を皮切りに世界的に知られる中谷芙二子(なかやふじこ)の霧の彫刻。「霧の街のクロノトープ」と題する今プロジェクトは、中谷がアーティスト集団・ダムタイプの高谷史郎(たかたにしろう)と協同で進めてきた。

拡大する中谷芙二子×高谷史郎「霧の街のクロノトープ」展示風景=京都市南区東九条北河原町

 建設現場の足場に似た高さ約3・8メートルの構造体に取り付けられた約800個のノズルからは、コンピューター制御の人工霧が15~20分間隔で噴き出し、雲海のように空き地を埋め尽くす。霧の形や噴射の時間は厳密に調整され、構造体は日没時に太陽がその中心を通るよう、空き地に対して斜めに設置されている。

 戦前から在日韓国・朝鮮人が多…

2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment