「頂上でなくても、美しい景色が見える」 聖光学院校長が考える受験

 入試シーズンが始まります。コロナ下で頑張る受験生たちへ、校長からのメッセージをお届けします。

 受験とはつらく厳しいものですが、卒業生たちに聞くと「振り返れば楽しかった」との答えが返ってくることがあります。「仲間と同じ目的に向かって共に頑張ること」ととらえれば、それも分かります。本校では受験期の高3生に自習室を朝8時から夜9時まで日曜祝日含めて開放しています。食堂で提供する夕食は1日に80食以上です。自炊も可能で、味噌汁を作る生徒もいます。皆さんにも共に歩む仲間がいるはずです。

 受験は人生の一里塚ではありますが、そこがゴールではありません。全力を尽くすことは大切ですが、受験だけが人生の勝負でもありません。目標と実際に自分が到達したところとの距離感をどう考えるか。その距離を受け入れることが人生を素敵に生きるコツなのかもと、最近思うのです。

 山登りで言えば、頂上でなくても、それぞれの場所で美しい景色が見える。必ずしも第1志望に受からなくても、社長にならなくても、その人が輝けるステージというのが大事です。受かったところがその人にとっての第1志望。そこから次のステップに踏み出していく。実際の人生はその繰り返しです。

 保護者も、子どもの頑張りを幅を持たせて受け止めてあげてください。子どもとの一定の距離感も重要です。近すぎると、良い面も見えなくなりがち。特に中学受験では後から「家族史のいい一コマだった」と思えるよう、親子で適度な距離を保って歩んでほしい。

 このコロナ禍で分かったのは…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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