西田慎介 西岡矩毅
福岡県大牟田市で1月末、飲酒運転による事故で17歳の高校生が亡くなったことを受け、市と福岡県警大牟田署は2日、大牟田文化会館で緊急の飲酒運転撲滅大会を開いた。交通安全協会員ら市民約120人が参加し、飲酒運転の根絶を誓った。
事故は、1月29日午後9時10分ごろ発生。県道交差点で原付きバイクと軽乗用車が衝突し、バイクに乗っていた市内の高校生の山下和真さん(17)が頭を強く打って死亡した。
車を運転していた市内の無職井上雄二容疑者(61)は道路交通法違反(酒気帯び)容疑で逮捕され、呼気からは基準値の約4倍のアルコールが検出された。署によると、「29日午前2時から午前6時まで自宅で焼酎のお湯割りを十数杯飲んでいた」と供述しているといい、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いを視野に捜査を進めている。
2日の大会では、那須重人署長が、飲酒運転は「重大な犯罪」とし、昨年の県内の検挙数を紹介。1536件(前年比145件増)で、うち大牟田署管内は64件(同29件増)だった。
そのうえで、那須署長は「飲酒運転をしている人を知っている、見たという方はためらうことなく110番を」と強く呼びかけた。昨年、同署には123件の情報が寄せられ、12件が検挙につながったという。
また、11年2月に飲酒運転の車にはねられて長男を亡くしたNPO法人はぁとスペース代表理事の山本美也子さん(55)が講演。「命が奪われてからでは遅すぎる。飲酒運転を止めないといけない」と訴え、「(警察への通報は)いじめや告げ口ではなく、飲酒運転をする人を出さないという思いやりの心です」と呼びかけた。
大会の最後に参加者らは「飲酒運転は絶対しない、させない、許さない、そして見逃さない」と声を上げた。(西田慎介、西岡矩毅)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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