「首相への報告」なしで公文書の保存延長可に 公文書管理委が了承 

 国の省庁が「首相への報告」なしで公文書の保存期間を延ばせるようになる。内閣府の公文書管理委員会が14日、公文書管理法施行令の改正案を了承した。保存期間の延長は2019年度だけで約20万件に上る。改正案に対し、「安易な延長を追認すべきではない」「いたずらに延長を繰り返す原因になりかねない」などの意見もパブリックコメントで寄せられていた。

 公文書の保存期間は施行令などで文書の種類ごとに、1年未満~30年の間にするよう定められている。同法は、各省庁が勝手に文書を捨てないように廃棄時に首相の同意を条件とし、施行令で保存期間を延長する時も期間と理由を首相に報告するよう求めていた。

 首相報告を不要とする趣旨について、内閣府公文書管理課は「保存期間の満了時にすぐに文書を廃棄してしまうのではなく、国民への説明責任などで必要な場合は、制約を受けずに保存期間を延長できるようにすることが適当だ」と説明。公文書管理委の委員からも異論は出なかった。

 改正案はこの他、国立公文書館へ移管する文書は早期移管のため、省庁での保存期間を最長30年から20年に短縮▽省庁の判断で重要文書の保存期間は施行令よりも長く設定できる▽複数年度にまたがる文書は一つのファイルにまとめられる――などを盛り込んでいる。(編集委員・谷津憲郎

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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