香川県議の訪問団が11月、1人あたり263万円をかけて南米県人会の周年行事などに参加する海外視察計画をめぐり、計画に反対している県議3人が21日、日程の短縮やコストの精査を求め、知事と議長に申入書を提出した。
池田豊人知事とともに県議8人が11月10~19日の10日間、南米と北米の3カ国を訪問する計画は、7月10日の県議会で可決されたが、直後に1人が辞退している。
反対する県議らが疑問視するのは、経由地の米ロサンゼルスでの3日間の日程だ。
県によると、栗林公園(高松市)と姉妹庭園提携を結んでいるハンティントン財団庭園に、丸亀市から移築中の古民家が今秋オープン予定で、視察時にはすでに一般に披露されている見通し。視察の当日が「見学会のような形になるか、式典があるかは未定」という。
ただ、知事や県議の日程表では「セレモニー」と記されており、申入書はこれを「知事部局や議会側が勝手に希望を伝えたにすぎない日程」と指摘。北米日程は短縮すべきだとしている。
申入書を受け取った大山智副知事は報道陣に対し、「テープカットをするようなセレモニーではないが、南カリフォルニア県人会や財団からおいで頂きたいとの言葉を受けて立ち寄るもの」と説明し、「公費による出張なので機能性や安全性を確保したうえで効率的なものになるよう努めたい」と話した。
香川県議の海外視察をめぐっては、航空機はビジネスクラスを利用し、ホテルで6泊するうち、1泊6万6千円の「エグゼクティブルーム」に2泊するなどの計画に、市民団体から「あまりに高額で納得できない」と批判が出ていた。
申入書ではほかに、随行職員より2ランク上のグレードを指定している知事と県議のホテルの部屋について、「悪習はやめるべきだ」と批判。
航空機のビジネスクラス利用もエコノミーとの差額を自己負担とし、観光ガイドの雇用もやめて通訳のみにするよう求めた。(多知川節子)
■香川県議会の南米訪問団の行程表(実施計画書段階)
●11月10日〈羽田・ロサンゼルス経由サンパウロへ、機中泊〉
●11日〈サンパウロ発パラグ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル