遅咲きの中年コンビが手にしたのは、あまりにもドラマチックな結末だった――。12月19日にあった「M-1グランプリ2021」の決勝で、錦鯉(にしきごい、ソニー・ミュージックアーティスツ)が史上最年長で第17代チャンピオンに輝いた。くすぶり続けた長い下積み時代から、一気に漫才王者の座へ。審査員も涙するほどの快挙を成し遂げた2人は、そこで何を思ったのか。
最終決戦の投票結果が発表されると、錦鯉のツッコミ担当・渡辺隆(43)は、相方の長谷川雅紀(50)に抱きついた。そして耳元で言った。「ありがとう」。それまで表情を変えずに仁王立ちで結果を見つめていた長谷川の目に、涙が浮かんだ。審査員の塙宣之(ナイツ)や富澤たけし(サンドウィッチマン)も目元を押さえ、ふたりの健闘をたたえた。
耳元で「ありがとう」
錦鯉は、北海道出身の長谷川と東京都出身の渡辺が2012年に結成。スキンヘッドの長谷川がハイテンションでボケ倒し、渡辺が頭をはたきながらクールに突っ込む。昨年のM-1決勝進出を機にブレークを果たすと、今年もファイナリストの一角に名を連ねた。
決勝では1本目に合コンのネ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル