広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を巡り、国の援護対象地域を再検証する厚生労働省の検討会が27日あった。気象シミュレーションや土壌調査の結果、黒い雨が降った地域を特定するのは困難とする作業班の現時点での検証結果が報告された。厚労省は今後も検証を続けるという。
報告された検証結果は、原爆投下後の気象状況をシミュレーションで再現したが、不確実性が大きく、降雨地域を「判定することは困難だ」とした。また、放射性物質の拡散状況を調べる土壌分析でも、当時の状態が残っている土壌を調べることは困難なため、降雨地域を特定できなかった。
また、黒い雨を体験した人への健康影響調査では、広島県や広島市が援護対象とするよう求める区域で、黒い雨を浴びたことによる放射線被曝(ひばく)の直接的な健康被害を確認することは難しかったとした。一方、精神的には、対象区域と同じかそれ以上の影響があったと判断した。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル