朝日新聞デジタルで6月に始まった「コメントプラス」。最新のニュースや話題を伝える記事に続けて、専門的な知識や豊かな知見をもつコメンテーターのコメントを読むことができます。記事の見出し横にある吹き出しマークが目印。最近注目を集めたコメントの中身を紹介します。
26日の「中国、塾や多すぎる宿題を規制 重荷減らして少子化対策」(https://www.asahi.com/articles/ASP7V451ZP7VUHBI007.html)の記事に、株式会社ワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さんがコメント。「1点の差を求めて本質ではないことまでも暗記するような学び方は、どんなにそこで上位になっても、社会に出てから社会課題を解決するイノベーティブな発想力にはつながらない。オランダの入試では、ある程度までテストで人選したら、最後はあえて『くじびき』だ。本質的ではない細かい知識まで覚えるような過当競争を、心を育てる大事な時期の子どもたちにさせないためだ」と指摘します。
原爆投下後に「黒い雨」を浴びたと訴えた84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決について、菅義偉首相が上告を見送った背景に迫った26日配信の「上告『不可避』の政府内 覆した首相、世論を読んだ?」(https://www.asahi.com/articles/ASP7V6VSTP7VUTFK01D.html)には、元厚労省官僚の千正康裕さんがコメント。「急遽、首相の政治判断で結論を出したようなので、どのように論理的な制度設計をするのか課題はかなり残されている」とし、「あまり知られていないかもしれないが、この問題の厚生労働省の担当部局はコロナ対応と同じ部局だ。今の状況で、この重い課題に対応するだけの余裕がないと思われる。コロナ対応と被爆者の補償に向けた制度設計を両立するためには、体制強化の意思決定も必須だろう」と問題提起します。
26日の「『ワクチン証明書』申請受付始まる 世界でも導入本格化」(https://www.asahi.com/articles/ASP7V41R8P7RUHBI03V.html)の記事には、シンガポール在住ジャーナリストの中野円佳さんがコメント。「日本政府は他国が発行している証明書を持参した入国者について隔離免除の措置を取っていないということですが、今海外在住の人は海外で接種してしまっているわけですから、日本での証明書を発行することができません。相互に認めて行ってほしいと思います。8月に日本で仕事があってシンガポールから一時帰国する友人はワクチン以外でもとにかく手続きが複雑で、書類に不備があって入国拒否になったら致命的だからと何度も不備がないか厚労省に電話で確認したと言いました。お互いの労力の無駄なので、手続きが分かりやすくスムーズにしていってほしいです」と指摘しています。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル