山岸玲
梅雨前線や低気圧の影響で、九州から関東甲信の広い範囲で21日にかけて大雨となる見込みとなっている。気象庁によると、特に九州では今月中旬以降、断続的に雨が続いて地盤が緩んでいるところがあるため、土砂災害に厳重な警戒が必要だという。
梅雨前線は、大陸から九州を通って日本の東へのびている。東シナ海付近の前線上には低気圧もあり、発達しながら21日には日本海まで進む見込み。この低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、広範囲で大雨が予想されている。
九州から関東甲信にかけては雷を伴った非常に激しい雨が降る恐れがあり、気象庁は土砂災害や河川の氾濫(はんらん)に警戒を呼びかけている。また、西日本を中心に21日にかけて大気の状態が非常に不安定となるため、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してほしいとしている。
21日午前6時までに予想される24時間雨量は多いところで、九州と四国、近畿250ミリ▽東海200ミリ▽関東甲信120ミリ▽中国と北陸100ミリ。その後の24時間では、東海200~300ミリ▽近畿と関東甲信100~200ミリ▽北陸100~150ミリの予想。
1カ月以上早く大雨の季節に
今年は西日本を中心に記録的な早さで梅雨入りしている。今月中旬には5月としては記録的な雨を熊本県や東北などで観測した。
梅雨入りが早まっている要因は、上空を流れる偏西風が日本付近で平年より北側を流れているほか、この時期としては日本の南にある太平洋高気圧の張り出しが強く、梅雨前線を北へ押し上げているためだ。
気象庁の担当者は20日午前、報道陣の取材に対して「西日本から東日本では例年より1カ月以上早く大雨に警戒が必要な状況になっている」と説明。「まだ5月だからと油断せず、いつもより早く大雨への備えをしてほしい」と呼びかけた。(山岸玲)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル