新型コロナウイルスの影響に伴う休校が続く中、導入の議論が出ている学校の「9月入学」について、スポーツ報知では、ホームページで緊急アンケートを実施した。9月入学には、回答者757人のうち約56%が賛成。一方で反対する人が最も大きな理由に挙げたのが「受験」の影響だった。また「真夏の卒業式、入学式は過酷だ」などの意見も寄せられた。
入学時期などを秋にずらす「9月入学」制度の導入をめぐる議論が突如、降って湧いた。本紙が実施した緊急アンケートでは、「9月入学移行に賛成ですか?反対ですか?」の問いに対し、回答者757人のうち、423人が「賛成」。全体の55・9%を占め「反対」の44・1%を上回った。
さらに、「賛成」とした人に移行時期を問うと、「今年から」が望ましいとする人が87・7%(371人)、「来年以降」が12・3%(52人)となり、賛成派の大多数が今秋からの導入を求めていることが分かった。
9月入学制の導入については、新型コロナの感染拡大による休校の長期化などを受け、東京都の小池百合子知事や、大阪府の吉村洋文知事らが前向きな姿勢を示している。アンケートには、「勉強が遅れてる分を取り戻すために、慌ただしく授業を進めるより、思い切って9月始業にした方が良い」との声や、秋入学が海外の主流であることから、「世界標準に合わせれば、留学がしやすくなる」との意見が多く寄せられた。
一方で、「社会の仕組みが変わる問題。現場や生徒の意見をもっと聞くべきだ」などと、急浮上した9月入学制に慎重な議論を求める声も上がった。
また、「反対」とした人の中で最も多かったのが、受験や就職活動への影響を懸念する声だ。小学生の「お受験」は、年度の前半に生まれた子の方が有利だと一般的に言われており、「計画的に出産した意味がなくなる」との声や、導入年の学年は、4月生まれ~翌8月生まれまでの児童・生徒が対象となるため、他学年との人数格差が生じることを懸念する意見もあった。
◆アンケートに寄せられた「9月入学」についての声
【受験】
▼賛成 「積雪やインフルエンザ感染のリスクを避けられる」「大学落ちても、夏の方が悲しくない」
▼反対 「導入年に入学の子どもは他学年より人数が多くなり、受験戦争が予想される」「真夏の受験はいやだ」
【学校行事】
▼賛成 「交換留学が活発になる」「来秋から導入して、今年度を長くすることで行事も先送りにできる」
▼反対 「入学式に桜がないのはさみしい」「暑い季節に入学・卒業式をやるのは過酷」
【授業】
▼賛成 「オンライン授業が実施できない学校も多く、今のままでは学力格差が生じる」「大学受験を目指す高校生にとって授業ができないのは致命的」
▼反対 「急に仕組みを変えると、新たにカリキュラムや年度計画を組むことになり、現場の負担が大きくなる」「学校が再開したら、土曜授業や平日の授業を増やして対応すればいい」
◆世界各国・地域の学校開始の時期(地域で異なる場合もある)
▼1月 シンガポール
▼1月末~2月 オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル
▼3月 韓国、アルゼンチン
▼4月 日本、ネパール、パキスタン、パナマ、インド
▼5月 タイ
▼6月 フィリピン
▼9月 米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、中国、台湾
▼10月 カンボジア、ナイジェリア、セネガル
Source : 国内 – Yahoo!ニュース