政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)は20日の会合で、より強い感染防止対策を講じるよう政府に求める提言をまとめた。コロナ禍で打撃を受けた業界を支援する「Go To キャンペーン」の運用見直しも盛り込まれた。当面、3週間ほど集中して対策を行うよう求めている。政府は21日に新型コロナ感染症対策本部の会合を首相官邸で開き、対応を協議する。 提言では、感染状況について4段階の国の基準のうち「ステージ3」(感染急増)に入りつつある都道府県があると指摘。「今まで通りの対応では、早晩、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する可能性が高い」とした。尾身氏は記者会見で「札幌市はステージ3に入っていると判断している。東京都や大阪府はステージ3に近づきつつある」と説明した。 提言は短期間に集中して感染リスクが高い状況に焦点を絞った対策を求めた。具体的には、感染が拡大している自治体では酒類を提供する飲食店に夜間の営業時間の短縮や休業を要請することや、感染予防を徹底できない場合には感染が拡大している地域との往来の自粛を促すよう求めた。 「Go To トラベル」については、国は都道府県知事の意見も踏まえ、ステージ3相当と判断された区域の一部除外を含めて運用の在り方を検討するよう要請した。西村康稔経済再生担当相は分科会後の記者会見で「(感染が)一定以上になれば制約をしないといけない」と述べた。 提言は「Go To イート」については、プレミアム食事券の新規発行の一時停止などを求めた。 西村氏は「できるだけ早く対応を決めて実行することが大事だ」と述べ、21日の政府対策本部で、分科会の提言を受けた対策の方向性を示す考えを表明した。
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