SNSや動画サイトで架空のフォロワーや「いいね!」を売る業者がある。
「SNS集客承ります」「1いいね=1・2円」。検索すると、10を超える業者のサイトがヒットした。問い合わせ窓口にメールで取材を申し込むと、数社から数日後に返信があった。
4月中旬、京都に向かった。住宅街の一角に、サイトの「代表」という40代男性の家があった。「万単位でフォロワーは買えますよ」。家族との写真が置かれた居間のこたつで、トレーナー姿の男性は電子たばこを吸いながら言った。
自前で大量のアカウントを確保し、フォローや「いいね!」、リツイートを行う。学生や主婦らのスタッフに複数のアカウントを作らせ、そこからフォローすることもある。
依頼は月に1万件超という。フォロワーを増やして経営を軌道に乗せるというビジネス目的もあれば、自己顕示欲でフォロワーを多く見せたい人もいる。
フォロワーの販売は各SNSの利用規約に反する。そう指摘すると、「世の中にあるいろんな数字や国の統計だって操作されている可能性がある。僕たちがSNSで数を操って、それを裁く権利がだれにあるの?」と言った。
別の会社は電話とメールでの取材に応じた。インスタグラムを中心にフォロワーを提供しているという。「うちの仕組みは明かせない」とし、同じ業界の他社がやっている「一般的な手法」を示した。
学生に客のSNSをフォローさせ、対価を渡す。授業の合間でもバイト感覚でできる▽客のSNSの運用を代行し、自動のシステムで他人のアカウントに多くのフォローや「いいね!」をして、相手が返してくれるのを誘う▽SNSの投稿を見て有償でコメント欄にコメントを書く――。
特定の意見を水増しし「民意」をゆがめかねない行為は、ときに行政の手続きをめぐる場面でも現れ、民主主義を揺さぶります。規制に関するパブリックコメント、知事のリコール運動…、記事後半では、そうした現場に直面し疑問を抱いた人たちが、当時の状況や思いを語っています。
同社の運営者は「フォロワー…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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