「1万円札の顔」渋沢栄一 東京・江東区の旧邸、約30年ぶり里帰り

滝沢貴大

 日本の資本主義の父と呼ばれ、7月から1万円札の図柄にもなる実業家・渋沢栄一東京都江東区で暮らした「旧渋沢邸」が、移築先の青森県から同区に再び移築され、5日、報道陣に公開された。

 旧渋沢邸は、栄一からひ孫の代まで4代にわたって渋沢家が暮らした。清水建設の2代目社長・清水喜助が設計施工を手がけ、1878年に深川福住町(現・江東区永代)に完成。1908年に三田綱町(現・港区三田)へ移築し、47年に国有化された。大蔵大臣公邸や三田共用会議所などとして使われたが、91年に渋沢家の元秘書に払い下げられ、青森県六戸町に移築。約30年の年月を経て、清水建設が購入するかたちで、今回の再移築が実現した。

 木造2階建ての華美さを抑えたたたずまいで、和風の表座敷と、客間や書斎をそなえた洋館などからなる。延べ床面積は1204平方メートルで、同区の指定有形文化財にも指定されている。

 邸宅は清水建設の施設「温故創新の森 NOVARE(ノヴァーレ)」内にあり、当面は関係者の見学を受け入れるが、いずれ一般公開することも検討しているという。清水建設の担当者は「今後、江東区との連携をはじめとして、文化財としての公開利活用を図ってまいります」と話した。(滝沢貴大)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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