「1位じゃダメなの?」 全国2位の夢に秘めた日本最小の町の思い

 「1位じゃダメなんでしょうか?」。思わずそう聞きたくなるようなプロジェクトを、日本で一番面積が小さな町・大阪府忠岡町の住民たちが始めました。あえて全国2位をめざすこのプロジェクト。そこには小さな町の住民ならではの思いが詰まっていました。

杉本さんの自宅で育てたライムは白い花を咲かせた=5月7日、大阪府忠岡町、杉本さん提供

 大阪府の南西部に位置する忠岡町の面積はわずか3.97平方キロメートル。大阪湾から南東に延びる細長い町域の幅は1キロもないところが大半で、電車に乗ると、あっという間に通り過ぎてしまいます。そこに1万7千人ほどの人が暮らしていますが、人口減少と高齢化は年々進んでいます。

 そんな忠岡町にあるゲートボール場に11月13日午後、50人近い住民が集まりました。

苗木を手に住民に説明する杉本さん=11月13日、大阪府忠岡町

 集まった地域の人たちを前に、東区自治振興協議会(自治会)の杉本一郎会長(69)がこう呼びかけました。

 「みなさんにこの苗を育てていただき、3、4年後に収穫量全国2位を実現しましょう」

 杉本さんが手にした苗はライム。杉本さん宅では10年ほど前に植え、年によってばらつきがあるものの、重さ100グラム程度のライムが150個ほど収穫できるそうです。

杉本さんの自宅で育てたライム=8月30日、大阪府忠岡町

 なぜライムを育てるのか。しかも、1位でなく、2位をめざすのか。杉本さんに聞いてみると、答えは明確でした。

 「町全体が市街化区域。住宅…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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