将棋の渡辺明名人(36)=棋王・王将とあわせ三冠=は、第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)で、前名人の豊島将之竜王(30)を4勝2敗で破り、初の名人位を獲得した。2000年にプロデビューしてから名人への挑戦は今回が初めて。一時は「縁がない」と思いもしたタイトルを奪取したシリーズを、渡辺名人に振り返ってもらった。
拡大する第1局を制した渡辺明挑戦者は、天井をしばらく見上げて記者の質問に答えた=2020年6月11日、三重県鳥羽市
――第1局の作戦は角換わりでした。
後手番角換わりは想定される将棋の一つというか、本命でした。1日目の進行はおおむね予定通りで、2日目に千日手模様になりましたが、互角なら打開して、ちょっと時間責めぎみに行くというプランでした。終盤は激戦でしたけど、はっきり負けというところはなかった。出だしとしては一番いい形になりました。
――激戦の第2…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル