西岡矩毅 太田悠斗
6月に入り、福岡県内で九州電力やNTTをかたる自動音声を使い、特殊詐欺を狙う不審電話が増えている。電話は、固定電話だけでなく、スマホにもかかっている。県警は「新手の方法」と注意を呼びかけている。
6月20日夕、新宮町の一人暮らしの70代女性が帰宅すると、固定電話に留守電が入っていた。「電気料金の未払いで2時間後に停電します」。自動音声だった。「『1』を押して担当につないでください」と続いた。女性は詐欺電話を疑い、粕屋署に通報。被害を免れた。
県警によると、1月から6月15日時点で、県内で確認した自動音声を使った特殊詐欺を狙う不審な電話は約50件。電話会社や電力会社などをかたった自動音声が多い。各社は自動音声で顧客に電話をかけることはないという。
固定電話だけでなくスマホにも 注意を
同様の電話の県内での認知件数は1~4月は数件だったが、5月は約10件、6月は約20件と急増している。こうした詐欺電話は固定電話にかかってくると思い込み、携帯電話やスマホにかかってくると「本物」と信じてしまう傾向もあるようだ。
実際に被害も出ている。3月、福岡市内の60代男性の携帯電話に自動音声で不審な電話があり、案内に従って番号を押すと、担当者をかたる人物につながった。この人物の指示通りにコンビニで電子マネーカードを購入し、90万円分をだまし取られたという。
県警担当者は「自動音声を使った手口はこれまで(県内で)少なかった。相手に不安を募らせ、焦らせてだまそうとしている。落ち着いて対応してほしい」と呼びかける。(西岡矩毅、太田悠斗)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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