「2次会はアズで」。それが合言葉だった。そんな憩いの場も能登半島地震は襲った。建物は一部損壊、そして料理に必要な水が出ない――。それでも店は、笑顔であふれている。
石川県穴水町の中心部、のと鉄道穴水駅前。「能登バル アズ」から笑い声が聞こえた。「野菜がたっぷり入ったスープだよ。熱いから注意して食べてね」。テーブルには、めんたいこ入りの厚焼き卵やイカのマリネが並ぶ。
小学6年の米田寛喜(ひろき)さんはデザートを手に、「毎日違うメニューで飽きないし、温かいものは心が落ち着く」と笑みを見せた。午前中のオンライン授業を終えると、ここで昼食をとる。祖母の樋爪(ひづめ)久子さん(78)に連れられ、姉の芽実(めぐみ)さん(15)と運動がてら毎日10分ほど歩いて通う。
「ただいま」地震の後も、知った顔ばかり
「アズ」は新出(しんで)洋…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル