ホテルに閉じ込められ、外へ出られないまま、帰国の日が迫る。スマホの画面に映る青年は、「どうしたらいいんだ」と涙目だった。
「君を必ず助け出す。心配しないで」。ホテルの外から繰り返し呼びかけた。
サッカーのワールドカップ予選のため、5月に来日したミャンマー代表のピエリアンアウン選手が、日本代表との試合の際、テレビカメラに「3本指」を掲げ、母国の軍事クーデターに抗議した。
「帰国すれば命が危ない」と、在日ミャンマー人たちが救出に動いた。知人づてにSOSを受け取り、その中心になったのが、大阪市で東南アジア料理店を営むアウンミャッウインさん(47)だった。
Tシャツに隠してスマホを差し入れ、ひそかに連絡を取り合った。代表チームの宿舎から脱出させようと作戦を練ったが、監視が厳しく、再三、失敗した。駆けつけた弁護士とともにピエリアンアウン選手を励まし、帰国間際の関西空港で保護した。住まいを提供し、通訳も務め、8月に難民申請が認められるまで伴走した。
スーチー氏支持で拘束 船に乗り国外脱出
アウンミャッウインさん自身も23年前、日本に逃れてきたミャンマー難民だ。
最大都市、ヤンゴンの出身…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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