須田世紀
山形県と国土交通省山形河川国道事務所、山形県建設業協会が連携して建設業の働き方の改善を図る。県と同事務所が発注した公共工事について、4月から1年間、毎週土曜日には現場の作業を行わない「一斉閉所日」とする。発注元と企業が一丸となって、女性や若者に選ばれる職場環境を整えていく。
同協会には274社が加盟するが、高齢化が進み、若者らの取り込みが急務だ。ただ、多くの企業が週休2日ではなく、「4週6休」を採用。「4週6休」ができていない企業もある。週末にある学校行事などへの参加を望む若者から敬遠されがちだという。
このため、同協会など3者は近年、閉所日をそろえ、週休2日制普及への意識を高める取り組みを行っている。2020年度は年3回、21年度は毎月第2土曜日、22年度は毎月第2、第4土曜日を閉所日に設定した。
企業アンケートの集計結果によると、22年4~12月は約85%が取り決めに従って閉所した。できなかった理由は「天候が良いときの作業」「工程計画上の作業日」がそれぞれ約30%、「就業規則上の出勤日」「工期が不足」が約10%、そのほか、「緊急工事」「地元との調整」などがあった。
過去3年の実施率は100%に届いていないが、23年度は取り組みをさらに進めて、毎週土曜日を「閉所日」とする。山形河川国道事務所の担当者は「(実施率が十分に上がっていないなかで毎週になると)ハードルが上がり、最初は実施率は低くなるだろう。それでも、今のままでは学生に選んでもらえる業界にならない」と話す。
ただ、民間工事は一斉閉所の対象外で、日給制で働く人にとっては収入が減る側面もある。県建設業協会の奈良崎弘事務局長は「公共工事の単価の引き上げ、ICT(情報通信技術)化など複合的に取り組まないと、働き手確保の問題は解決しない」と話した。(須田世紀)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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