「45歳定年制」迫る!? 今、日本の50代が危ない(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月10日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、作家の江上剛さんが“70歳までの就業機会確保”について見解を述べました。

◆日本もいずれ格差が顕著に!?

政府は2月4日の閣議で、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする高年齢者雇用安定法などの改正案を決定。働く意欲がある高齢者が就労しやすい環境を整え、社会保障の支え手を増やすのが狙いで、今国会に法案を提出し、成立すれば来年4月から施行されます。

政府が高齢者の就業機会確保を目指す一方で、江上さんは「大企業を中心に黒字リストラで、サオジョン(45歳定年制)になっている」と言います。“サオジョン”というのは韓国語で、江上さんが10年ぐらい前にグローバル化が進む韓国に取材に行った際、すでにその傾向があったとか。再就職できない人たちの間で退職金を元手にしたチキン屋が増えていたそうです。

その数は今やおよそ8万7,000店にのぼり、「600人に1人ぐらいチキン屋をやって倒産している」と江上さん。映画「パラサイト 半地下の家族」で描かれる家族もまさに同じで、「(韓国は)格差がすごく進んだ国になっている。それを10年前に見たときに日本もいずれグローバル化するとそうなる」と感じたそう。

そして現在、日本では中高年に対するさまざまな記事が出ており、その中には管理職に就けない“ヒラ中高年”が、「コスパの悪い社員」という言われ方をしているものもあるとか。彼らのやる気を出すことができれば生産性もアップするものの、「銀行の人事部時代にそういうことをやったことがあるが、ある種無理なんです」と江上さん。さまざまな企業でいろいろな取り組みを行っているようですが、「前向きな内容だけど、その発想自体がある種社内いじめに繋がる」と指摘します。

しかも今は偉くなった人は会社を一向に辞めず、出世ができない人が辞め、才能ある若者には多くの報酬を出す会社も出てきているようで、「今一番苦しいのは50代」と江上さんは言い、そういった人たちに向け「自分の強みを再発見し、自信を持とう!」と提案します。

◆中高年が目指すべきは……

「必要とされていない会社にしがみつくのも1つの方策」としつつも、「それでうつ病になった人もたくさん知っている」と言う江上さんは、「そういう人は一度外に出てみること。それで成功している人も何人も知っている。こういう時代だからこそ、もう一度自分の強みを発見し、自信を持てばまた違う生き方があるんじゃないか」と鼓舞。

すると、MCの堀潤は2つの問題を提起。1つは「組織を抜け出すタイミング」、もう1つは「自信」の問題。「自信を育むだけの技術や経験を会社が提供できていたのか。競争ばかりでコスパが求められる中で人材育成なんてできたのか」と指摘し、「尊厳を傷つけられ心を病んでいく、その状態からどうやってフリーになるのか」と疑問視します。

その意見に江上さんは「誰のために一緒に働くのか、それと家族の結束。映画の『パラサイト』もそう」と言い、「会社ではないかもしれない価値が、社会に出たら意外とある。それをもう一度発見したほうがいい」と返答。

スタートアップの会社も数多く生まれるなか、若い人だけで全てまかなえるのかと言えばそうではなく、「経験を積んだ人の常識的な判断を求めているところも多い。僕は一度、個人が会社と雇用契約を見直してもいいと思っている」と訴えていました。

番組では、視聴者に「あなたは何歳まで働きたいですか?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。

◆あなたは何歳まで働きたいですか?
60歳……921票
65歳……531票
70歳……306票
それ以上……594票

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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