福岡龍一郎
【宮城】「八木山ベニーランド」(仙台市太白区)にある東北最古のジェットコースターが14日、ラストランを迎えた。1968年の開園時から無事故で走り続けたが、老朽化で維持が難しくなった。平日にもかかわらず、引退を惜しむ多くの人が訪れた。
午前9時、開園すると東京都の会社員小菅智昭さん(37)が早速コースターに乗り込んだ。趣味で全国のジェットコースターを乗り歩いている。「引退はいつかは来ると思っていたけど……。寂しさが一番です」。乗り場の看板には、「54年間ありがとう」との文字。仙台市の主婦椿ヒロミさん(50)が書いて飾った。椿さんは「最新機のように動きはなめらかではないけど、愛されたコースターでした」。
午後2時、東京と埼玉に住む河原満悠里さん(25)、千緒さん(23)姉妹は帰省中に乗り納めを楽しんだ。幼稚園児のときに母の由貴子さん(55)と一緒に乗った。この日は約20年ぶりに3人で来た。千緒さんは「こんなに(ジェットコースターは)小さかったっけ。私が大きくなったのかな」。
午後4時半、ラストランを終えると、集まった約30人から拍手が起きた。涙を流す子どももいた。八木充幸園長(68)は「お疲れさま、ありがとう。それだけです」と話した。後継機は来年3月に運行を始める予定だ。(福岡龍一郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル