【香川】恋人がほしいけど、出会いがない。そんな悩みを持つ人たちを温かく迎えてくれるバーが高松市の繁華街にある。オーナーは「64組の結婚カップルを誕生させた」という恋愛結婚アドバイザーの管東佑衣子さん(55)。非対面のマッチングアプリが全盛の時代に、何を思うのだろうか。
出会いの可能性は誰にでも
――「縁結びばーテンダリー」は開店19年になります。どんなお店ですか
普通のバーとは違い、隣に座った人たちと会話を楽しむコンセプトで運営しています。恋人探しに限らず、新しい出会いを見つけるのに最適な場を目指しています。緊張してなかなか他の方と話しづらい場合は、店員が積極的に会話に参加し、共通の話題を探します。
――お店を始めたきっかけはなんですか
30代半ばの頃、高松には女性が1人で気軽に飲みにいけるようなお店がありませんでした。女性でも緊張せずに入れるバーがあればいいと直感が走り、開店しました。19歳で今の夫と結婚してから1度も外で働いたことがなく、不安もありました。多くの方に支えていただいたおかげで、ここまで続けられました。
――縁結びのコツや心がけていることはありますか
何の取りえもなかったんですが、人を見る目だけは自信がありました。一人ひとりに素敵な出会いを提供してあげたいという気持ちで会話に加わり、表面的なことだけではなく、どんな人生を送りたいと思っているのかなどを親身になって引き出してあげるように心がけています。出会いの可能性は誰にでもあります。
――県の「かがわ縁結び支援センター(EN―MUSUかがわ)」のアドバイザーとしても活躍されましたね
県が結婚支援をする事業の講師として、いろいろな所でお話をさせて頂きました。私も学ぶところがあり、今の仕事にも生かされていると実感しています。
――若い世代ではマッチングアプリで婚活する人が増えています
今の20、30代の若い人たちは「最短最適化」を求め過ぎています。でも、オンラインだけでは、なかなか結婚まで結びつきません。こういうところに来て、しゃべる練習とか情報を得ることを同時進行でしたらいいよって助言しています。スマホひとつで誰とでも出会える世の中になったからこそ、リアルに人と関わり、相手の気持ちや思いを感じることが恋愛のスタートになると思っています。
――婚活を頑張っている人たちにアドバイスを
結婚に対する覚悟を決めることだと思います。彼氏や彼女が欲しい人は、自分から進んで話しかけてみること。いろんな人と出会うことで、相手が何を考えているかどうかを察するスキルが身につきます。うちに通えば、そのスキルが上がっていきますよ。
――今後の目標はありますか
出会いがない人、恋愛が上手くいかない人、家族間の悩みがある人たちに寄り添う「日本一のベテラン仲人士」になりたいです。(和田翔太)
◇
かんとう・ゆいこ 1968年生まれ。高松市出身。専業主婦だった2005年、「縁結びばーテンダリー」(同市亀井町3の8)を開店。自らの仲介で多くの結婚カップルが誕生した経験から恋愛結婚アドバイザーに。香川県が婚活をサポートする「かがわ縁結び支援センター」のアドバイザーも務めた。バーのお客は「学校の先生や看護師、サラリーマンなど業種を問わない」。転勤や出張で四国に来て、友達を作るために通う人もいる。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment