「71年住んでて、こんなこと初めて」 滋賀・高時川、民家に水迫る

奥平真也、茶井祐輝、藤井匠

 滋賀県と彦根地方気象台は5日午前9時5分、高時川が長浜市木之本町川合で氾濫(はんらん)したと発表した。市は2665世帯に避難指示を出した。長浜市によると、5日午後7時現在、床上5軒、床下19軒の浸水被害を確認したという。

 気象庁によると、長浜市余呉町柳ケ瀬では、5日午前10時までの24時間で雨量は164・5ミリに達した。8月1カ月間の平年降水量は187・8ミリという。レーダー解析では、5日午前6時半までの1時間に約90ミリの猛烈な雨が長浜市付近で降ったとみられるという。

 高時川の氾濫地点の近くに住む脇坂保生さん(83)によると、水位のピーク時には川沿いの歩道が水につかり、車道まで水が迫っていた。車道を越えればすぐに民家があり、「川よりも高いところにある集落なので安心していたが、家に水が迫って怖かった」と話した。

 長浜市余呉町上丹生の笠原隆さん(71)は、5日午前6時半ごろに仕事で家を出た。家の前の高時川を見ると、水位は普段よりやや高いくらいだった。だが1時間ほどして隣人から、「家まで水が来ているぞ」と電話があり、急いで帰宅した。水は玄関の数センチまで迫った。「71年ここに住んでて、こんなことは初めて」と驚いていた。(奥平真也、茶井祐輝、藤井匠)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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