斎藤徹
被害が収まらない「なりすまし詐欺(特殊詐欺)」を未然に防ごうと、福島県立会津学鳳高校(会津若松市)美術部の生徒が、注意を促す黒板アートを制作した。全国有数の黒板アート強豪校が、会津若松署の求めに応じ、インパクトある作品を完成させた。
黒板アートは、黒板にチョークで絵画やデザインを描くアートで、同校は黒板アートの全国大会で優勝した経験もある。今回は、美術部の1、2年生18人がグループに分かれて作った。
警察官からなりすまし詐欺の手口や被害実態を聞き、5月上旬から制作を始め、約1カ月半かけて、携帯電話でお年寄りをだましATMにお金を振り込ませようとする悪魔や、ATMにお金を振り込もうとするのを阻止する警察官など、4作品を完成させた。
同校1年の森田結菜さん(15)は「インパクトを出すために色づかいを工夫した。もし被害に遭いそうな時は、私たちの絵を思い出してほしい」と話した。
20日の作品披露で、同署の斎藤秀幸署長は「生徒さんの豊かな想像力と繊細なタッチですばらしい作品ができた。作品を活用し、県内全域で啓発活動を進めていきたい」と話した。
同署は今後、作品をポスターやチラシにして、詐欺被害防止に役立てるという。(斎藤徹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル