殉職者慰霊と栄誉礼
ツイッターでの発信など何かと注目された河野太郎・前防衛相。その離任式の段取りが、実はコロナ対策も含めてこのアナウンスに簡潔に示されています。追って説明しますが、その離任式の前に大事な行事がひとつ。殉職者への献花です。 午前10時、防衛省の各棟から少し離れた「メモリアルゾーン」。音楽隊のしめやかな演奏が流れる中、河野氏が歩いて現れました。自衛隊が発足した1954年以来の、任務にまつわる殉職者約2千人の慰霊碑があります。その前に河野氏は花を供え、少し下がって数秒間、頭を下げました。 自衛隊では幸い、これまで戦死者は出ていません。それでも危険と隣り合わせの活動で亡くなった隊員を悼む行事は組織にとって欠かせず、メモリアルゾーンでの防衛相の献花は離着任のたびにあります。各地の自衛隊の駐屯地や基地でもトップによる同様の行事があります。 続いて省内の講堂で離任式です。去りゆく前大臣が挨拶し、省員を代表して事務次官が謝意を伝えます。これは他省とそう違わないでしょうが、参加者には背広組と呼ばれる「内局」の官僚に加え、制服組の「幕僚監部」の自衛官もいます。 それでも今回はコロナ対策で人がまばらでした。冒頭の省内アナウンスにあったように、参加を「部長など」に絞ったためです。3年前に見た別の防衛相の離任式と比べると、密度の違いは歴然でした。 河野氏は紙を読まずに挨拶しました。在任中は終盤に地上配備型ミサイル迎撃システム、イージス・アショアの配備停止問題での報告の遅れがあり、辛口の話も出るかと私は思っていましたが、語ったのは自衛隊の人づくりの大切さと職場環境の改善でした。「いじめ、パワハラ、セクハラをなくさねばならない」「F35(戦闘機)よりトイレットペーパーを取る」と呼びかけました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース