モンゴルの砂漠での撮影や壮大なストーリーが話題を集めるTBS系の日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」。17日に最終回を迎えるが、ロケが行われた島根県内では、ドラマに登場する観光名所の来訪者が増えたり、県がロケ地マップを作ったりと盛り上がりを見せている。一方、お隣の鳥取県も、ドラマとは一見無関係だが、「便乗」作戦に乗り出した。
堺雅人さん演じる主人公・乃木憂助の父親の生家の撮影が行われたのが、国重要文化財に指定されている島根県奥出雲町上阿井の「櫻井家住宅」だ。ドラマでは「乃木家」として、8月13日放送の第5話と今月10日放送の第9話に登場した。
住宅の隣にあり櫻井家の資料を紹介する可部屋集成館によると、第5話放送後の8月中旬から来訪者が急増。土日はほぼ100人を超え、平日でも数十人が訪れるようになった。特に若い人たちが目立つという。
櫻井家はかつて、日本古来の製鉄法「たたら製鉄」を営み、松江藩の鉄師を務めた。奥出雲は良質の砂鉄が取れ、砂鉄を原料とするたたら製鉄が盛んだった。
ドラマの中でも、乃木家がたたら製鉄を営んでいたという設定で、第9話では役所広司さん演じる主人公の父ノゴーン・ベキが過去を回想し、「奥出雲は古来から米作りとたたらで栄えた地域だ」と紹介した。
ノゴーン・ベキはさらに、たたらについて、「砂鉄と木炭を炉に入れて空気を流し込み、砂鉄を溶かして鉄をつくる方法だ」と説明。「奥出雲の山々は上質な砂鉄が豊富でな。その場所の砂鉄を採り終わると、今度はそこに棚田をつくって稲作を行う。いわばたたらと稲作が連動して発展していったんだ」とふるさとの歴史を語った。
可部屋集成館の尾方豊専門員(69)は「ドラマで、鉄とともにあった奥出雲の暮らしをわかりやすく発信していただいて感謝しています」と喜ぶ。
ドラマには、櫻井家住宅のほか、主人公が幼少期を過ごした養護施設のシーンに「旧大谷小学校校舎」(松江市)、結婚式の場面に「出雲大社」(出雲市)など多くの島根県内で撮影したシーンが登場する。
なぜ、島根県なのか…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment