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19日に全国で確認された新型コロナウイルス新規感染者数は2384人と、2日連続で過去最多を更新。東京都では534人と、初めて500人を超えました。小池都知事は、会食をする際の新たな感染予防策“5つの小”、『小人数』『小一時間程度』『小声で』『小皿に取り分け』『小まめにマスク・換気・消毒』を発表しました。菅総理も「静かなマスク会食をお願いしたい」と呼び掛けましたが、どれだけの効果があるのでしょうか。感染症学が専門の国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授に話を聞きました。 (Q.東京の新規感染者が534人と過去最多となりました。今後の見通しはいかがですか?)
国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授:「今の増え方は、予測を上回る勢いで増えていて、東京都で1000人くらいまでいくという予測もあります。場合によっては2000人という数も予測しなくてはなりませんし、日本全体としても5000人に達することも現実味を帯びてきたという状況だと思います。私たちは、本格的な冬にこうした感染拡大が起きるだろうと思っていたのですが、11月前半から急に増えている傾向があります。これからしばらく寒い時期が続くことを考えると、そう簡単には収まらないと思います」 (Q.東京都の感染者の内訳を見ると、どの年代にも感染は広がっていて、重症化リスクが高いと言われている60代以上が17.3%います。そして、最も多い感染経路が家庭内というのも特徴となっています。家庭内で、何が起きているのでしょうか?)
国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授:「家庭内感染は防ぐことがとても難しいです。まさか自分の家に感染者がいるとは思わないことです。症状がない時にもうつしますので、1人確認すると、その時点ですでに家族も感染している例が多いです。症状があった場合も『風邪だろう』と思ってしまう例があります。私が18日に経験した家庭内感染の例も、ご家族に風邪のような症状がありました。コロナという疑いは家族だからしなかったというのもあって、濃厚接触は避けられませんので、検査したらコロナでした。家の中で距離を置いたり、マスクをしたりということ自体が難しいので、家庭内感染を防ぐことは本当に難しいです」 (Q.忘年会シーズンを控え、小池都知事は会食の際の新たな予防策“5つの小”を発表。菅総理も「静かなマスク会食をお願いしたい」と呼び掛けました。こうした対策はいかがですか?)
国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授:「実際に“5つの小”は重要で、ぜひ守って頂きたいと思います。ただ、これは皆さん守れるのでしょうか。会食している時に小まめにマスクが本当にできるのかと考えると、“マスク会食”を呼び掛けたところで、実効性がどこまで伴うのかが疑問です。もしマスクが義務付けられている会食だったら、私自身は参加しないだろうと思います」 (Q.東京都からは時短営業や営業自粛までの要請もなく、国からもGoToキャンペーンをやめる方針は出ていないことについてどう思われますか?)
国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授:「国も自治体も、もう少し強力なメッセージを出すべきだと思います。営業の自粛などは補償の問題もあって打ち出しにくいとは思いますが、これだけ会食が重視されているので、いったん補償をちゃんとやったうえで、営業を自粛して頂くような形を取るのが本当は一番いいと思います。また、GoToキャンペーンは感染拡大の原因ではないとも言われていますが、これだけ感染が拡大しているなかで『旅行には行っていいですよ。ただ、感染には気を付けてください』というのは、やはり矛盾していると思います。ここでいったん中断して、収まってから再開するべきだと思います」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース