『抗体検査』実際に体験…精度は?専門家に聞く(テレビ朝日系(ANN))

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新型コロナウイルスの感染拡大が進むなか、東邦大学では、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて、複数の検査キットの精度などを確かめ、信頼できる抗体検査を確立するための研究をしています。富川悠太キャスターは今回、感染者と感染していない人のボランティアを対象にした研究に参加し、実際に検査を受けさせて頂きました。 PCR検査は現在感染しているかを調べますが、抗体検査は感染した経験があるかがわかるという検査です。抗体は、免疫のもとになるタンパク質で、初期にできるIgM抗体や、おおむね2週間後から検出されるIgG抗体などがあり、感染歴を調べるときはIgG抗体が対象になります。 今回、富川悠太キャスターを含め、報道ステーションから感染歴のある3人の血液を提供し、3つの簡易キット検査と1つの精密検査を受けました。数値が出る精密検査では、症状が重かった順に抗体の数値が高くなるという結果になりました。一方、簡易検査では、1つのキットで、軽症者が陽性にならず、中等症の富川悠太キャスターは、赤い線が非常に薄い“弱”陽性でした。東邦大学医学部微生物・感染症学講座の石井良和教授によりますと、キットでうまく検出できなかった可能性があるといいます。また、感染から時間が経ったため、抗体量が減ってきている可能性も考えられるということです。 東邦大学が進めている研究の途中集計のデータでは、簡易検査キットは、感度は84%~95%ほどで、現在は100%信用して「診断」に使用できるような状況ではないということです。日本感染症学会理事長、東邦大学医学部・舘田一博教授にお話しを伺いました。 ◇検査を受けた3人の結果をどう読み取りますか?
東邦大学医学部・舘田一博教授:「今回受けた精密検査は、アメリカですでに承認を受けています。これを標準として、簡易キットの検討を行っています。3人ともPCR検査で感染が確認されているので、すべて陽性が出なくてはいけませんが、1つは陽性になりませんでした。キットによる検査結果のバラつきがある可能性があります。これまでにたくさんのキットが出ていて、精度がわからないなかで使われているということが問題になると思います」 ◇抗体検査はどのような目的で使われるべきものですか?
東邦大学医学部・舘田一博教授:「この人が過去に感染しましたということがわかるということと、感染して1週間から10日目くらいに数値が上がってきますので、感染が今起きていますよということがわかります。ただ、感染してすぐの状態では、陽性にならない可能性があります」 ◇抗体があれば感染しないのでしょうか?
東邦大学医学部・舘田一博教授:「抗体のなかにも防御的に働くものもあれば、あまり効果のない抗体もありますし、抗体がなくなったとしても、抗体以外の感染防御が働いている可能性があります。また、次の感染が起きると早く抗体が作られるという生体反応が起きる可能性もありますので、全体的に解析していく必要があります」 ◇抗体検査はどう活用していくべきでしょうか?
東邦大学医学部・舘田一博教授:「今、色んな所で色んな簡易検査が行われていますが、キットによる結果のバラつきがある可能性があります。どの検査を用いたらいいのか判断するための基準が必要です。PCR検査や抗体検査、それぞれの特徴をいかした総合的な検査が必要になると思います」

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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