生まれた時の性別とは異なる性別で生きるトランスジェンダーの人たちが戸籍上の性別を変えるには、卵巣や精巣を切除して生殖能力を失う手術などを受けなければなりません。こうした法律上の手術要件が憲法に違反するかどうかについて、最高裁大法廷が25日に判断を示します。性別変更のルールや、当事者をとりまく実態を詳しく解説します。
Q 性別変更のルールはどうなっているのか。
A 「性同一性障害特例法」が2004年に施行されて、戸籍上の性別変更が可能になった。
2人以上の医師が性同一性障害と診断している人で、①18歳以上②現在結婚していない③未成年の子がいない④生殖腺(卵巣や精巣)がない、またはその機能を永続的に欠いている⑤変更する性別の性器に似た外観を備えている――という5要件をすべて満たしていれば、家庭裁判所が性別変更の申し立てを認める。
このうち、生殖能力の喪失を求める④の「生殖不能要件」と、体の外に現れている外性器の外観を変えることを求める⑤の「外観要件」を満たすためには、原則として性別適合手術が必要だ。④と⑤をあわせて「手術要件」と呼ばれる。
LGBTの中でも少数派、人口の1%未満か
Q 法律の名前にある「性同一性障害」とは?
A 生まれた時の性別に強い違和感を抱く人たちに対する医学的な診断名だ。1980年に発行された米国精神医学会の診断の手引「DSM―Ⅲ」が、「Gender Identity Disorder」という診断名を採用し、性同一性障害と訳されて広がった。
日本精神神経学会の「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」は、生まれた時の性別に対する「不快感・嫌悪感」や、自認する性別への「強く持続的な同一感」などから、性自認を判定するよう求めている。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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