5日午前11時45分ごろ、横浜市神奈川区の京急線神奈川新町第一踏切(警報機、遮断機あり)で、青砥発三崎口行きの下り快特電車(8両編成)と大型トラックが衝突した。電車の1両目は右側に45度ほど傾き、3両目までが脱線。トラックは大破して炎上した。県警によると、トラックを運転していた千葉県成田市、男性会社員(67)が死亡し、電車の乗客や男性運転士(28)ら計33人がけがをした。
県警や横浜市消防局、京急電鉄によると、トラックは電車の進行方向右側に当たる線路沿いの道から右折して踏切に進入。進入後に遮断機が下り始め、踏切を通過できずに電車と衝突したとみられる。踏切の監視カメラの映像には踏切内で30~40秒ほど立ち往生するトラックが写っていた。運転士は非常ブレーキを掛けたが間に合わなかったと説明している。
現場の踏切は神奈川新町駅に隣接。長さ約20メートル、幅約11メートルで、4本の線路がまたがっている。電車には当時約500人の乗客がいた。
京急によると、快特電車は通常、時速約120キロで現場を走行しており、スピードの出た状態で衝突した可能性がある。踏切には障害物を検知した場合、専用の信号機が点滅し、運転士に異常を知らせるシステムが設置されており、正常に作動していた。踏切の非常停止ボタンも押されていた。
県警は、トラック側に過失があった可能性を視野に、自動車運転処罰法違反容疑で捜査を開始。運転士らから事情を聴くとともに、付近の防犯カメラ映像を解析するなどして事故原因を調べる。運輸安全委員会も同日、現場に鉄道事故調査官3人を派遣して、脱線の状況などを調査した。
トラックは千葉県香取市の運送会社の所属で、横浜市から千葉県に向けて果物などを輸送中だった。国土交通省関東運輸局は同日、貨物自動車運送事業法に基づき運送会社を特別監査した。
影響で京急川崎-上大岡間は上下線で運転を見合わせ、他線への振り替え輸送やバスの代行輸送で対応した。京急は6日夕方までの運転再開を目指して復旧作業を進めるとしている。
京急では、2012年9月に横須賀市の追浜-京急田浦間の線路脇の斜面が崩れ、走行中の下り特急電車が乗り上げ、前3両が脱線。50人以上が重軽傷を負う事故があった。
神奈川新聞社
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