天皇代替わりで「平成」から「令和」へと移り変わった2019年。祝賀パレードなどの皇室関連行事が続き、祝福ムードが広がった。ラグビーW杯日本大会では日本代表が初のベスト8入りを果たすなど明るいニュースが続いた。一方で、大型台風の相次ぐ上陸は、列島各地に深刻な被害をもたらした。海外に目を向ければ、香港で民主化デモが拡大し、日韓関係は悪化の一途をたどり、依然、緊迫した状況が続いている。国際政治学者の三浦瑠麗氏(39)が今年の10大ニュースを選んだ。
三浦氏が数あるニュースから選出した1位は令和への改元。国内外で注目を集めた。「時代の雰囲気を変えた非常に大きな出来事でした。(5月に)雅子さまが日本赤十字社の名誉総裁に就任され、賛辞の声がより大きくなりました。日本人は皇室の継続性に期待していることが分かりましたし、変化が生じた場合は最終的には受け入れる、という国民性が表れてました」
2位は7月から発生した香港の大規模デモ。「米国ではオバマ政権以降、中国を国際社会の中に包摂しようとしましたが、これだけの大規模デモが起きてしまいました」。3位は関西電力幹部による高額金品授受問題。原発利権や原発マネーの構造的問題が明らかになった。「関電は不正を働かないように監視されていると思われがちですが、実態は違いました。この種の大型開発には必ずつきまとう問題で、そうした文化が根強く残っています」
4位はイランの核開発拡大、5位は韓国の日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)離脱表明をピックアップ。「中国の脅威を考えると、米国にとって日韓の対立が深刻化し、安全保障分野まで波及してしまったことは頭の痛い問題でした」。6位は外国人労働者の受け入れ拡大。「産業界からの要望だけを受け入れてしまい、職場や教育機関は混乱しています」
10位は36人が死亡した京都アニメーション放火事件。「単に厳罰化しても抑止効果はないのは明らかです。共助の仕組みの構築などについて、今後も議論が必要です」。番外は左右両極から議論が噴出したあいちトリエンナーレの表現の不自由展問題。「海外メディアから取材を受けたのですが、昭和天皇の作品があったことなどを知らなかったり、慰安婦の少女像が問題になっていると勘違いしてましたので、問題点を指摘しました」
◆三浦 瑠麗(みうら・るり)1980年10月3日、神奈川県茅ケ崎市生まれ。39歳。東大大学院修了後、2016年3月、東大政策ビジョンセンター講師などを経て、山猫総合研究所代表取締役。著書に「孤独の意味も、女であることの味わいも」(新潮社)など。
報知新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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