今年、街では若者を中心に「タピオカドリンク」が空前の大ブームとなった。スポーツ報知では、2019年を振り返る年末企画「令和元年 回顧」をスタート。第1回はタピオカブームと、次にブレイクしそうなスイーツを探った。一風変わった名前を持つアジアンスイーツの正体とは?(奥津 友希乃)=この記事は2019年12月23日の紙面に掲載されたものです=
もちっとした不思議な食感で、台湾発祥の「タピオカドリンク」が今年、日本列島をとりこにした。南米原産の芋の一種「キャッサバ」のデンプンからできた黒い粒「タピオカ」の輸入量は、2019年1~9月までで前年同期比6倍の約1万1457トン(大阪税関まとめ)。過去最高だった18年の年間輸入量約2930トンを上回り、9か月間で約4倍近くに増えた。タピオカドリンクには約30グラムのタピオカが含まれているから、このままいくと単純計算でも1年で5億杯以上のタピオカドリンクが売れたことになる。まさに“タピオカバブル”に沸いた一年だった。
SNSでは、タピオカを飲むことを意味する「タピる」や「タピ活」が拡散。新語・流行語大賞のトップテンにもなった。街には専門店があちこちにできるなど、社会現象にまでなった。
しかしその一方で、すでにブーム終息の声もささやかれている。タピオカ激戦区の東京・原宿に、友人と買い物に訪れていた20代の女性は「夏ごろは人気店に40分以上並ぶこともあったけど、最近は空いている」と話す。「飽きてきたし、タピオカをかむのが疲れるなと思って。でもお茶自体はおいしいので、最近はタピオカ抜きで注文することが多いです」
消費者は移り気だ。では、次に注目されるのは? 東京・丸の内周辺で聞き込みを行うと、聞き慣れないアジアンスイーツの名前が挙がった。マレーシア生まれの「モーモーチャーチャー」だ。20代の女性会社員は「アジアのスイーツは一風変わっているけど、食べてみるとおいしい。人気は続くと思います」と話した。
一度聞くと耳から離れない名前だが、現地では「ボボチャチャ」と呼ばれ、マレーシア語で「ごちゃ混ぜ」の意。「モーモーチャーチャー」は中国語読みとされている。中身は、ココナッツミルクの中にお芋やタピオカなどを入れたお汁粉のようなもの。「ごちゃ混ぜ」にして食べるとおいしさが倍増する。
老舗スーパーの成城石井は、15年から「自家製モーモーチャーチャー」(税込み431円)を販売している。商品開発担当の光野正三さん(54)は、「4年前にエスニック料理屋でモーモーチャーチャーを食べたんです。衝撃の出会いでした。おいしかったし、それまで日本ではあまり知られていなかったので、これは売れると確信しましたね」。今では年間約60万個を売り上げるなど、同社スイーツ売れ筋でベスト3に入る人気商品となった。
プリンのようなココナッツブランマンジェの上にカスタードソースを流し込み、さつま芋や豆の甘露煮、羽二重餅などをトッピング。日本風にアレンジした。こだわったのは、本場のような、とろとろ感を出すこと。「スプーンでひとかき混ぜると、クリーミーな口溶けのいいソース状に変わる。塩ゆでのお豆もいいアクセントだと好評です」(光野さん)。来年はインパクト抜群の名前を持つ「モーモーチャーチャー」に注目だ。
◆豆乳を固めた「豆花」も人気
東京・丸の内の聞き込み調査で「モーモーチャーチャー」と並んで名前が挙がったのが、タピオカと同じ台湾の国民的スイーツ「豆花(トウファ)」。豆乳をにがりなどで固め果物やシロップをかけて食べるもので近年は都内に専門店がオープン。女性を中心に人気を集めている。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース