初めてとなる大学入学共通テストが16、17の両日に実施されます。コロナ禍で11都府県に緊急事態宣言が出る異例の状況のなか、挑むのは全国で約53万5千人。各地の動きをタイムラインで伝えます。
18:30
作問担当者「センター試験と比べて平均点下がるだろう」
大学入試センターの作問担当者は午後6時半ごろ、大学入学共通テストの問題について「知識だけで答える問題は極力避け、資料や前提を考え、理解して答える組み立てにした」と説明した。全体の平均点について「初めてのテストのため、大学入試センター試験と比べて下がるだろうという見立てをしている」とも述べた。
18:00
受験生「穴埋めの仕方など見ない形式の設問が多かった」
午後6時過ぎ、東京都世田谷区の昭和女子大の試験会場から出てきた神奈川県川崎市の私立高に通う女子生徒(18)は「物理が難しかった。過去問や予想問題もいろいろ試したけど、穴埋めの仕方などあまり見ない形式の設問が多かった」と話した。屈折の法則を絵で示した問題や、表をグラフに書きかえる問題に戸惑ったという。
新型コロナの影響で、最近は塾の自習室も使えなかった。「コロナがなければ普通に通えたと思うんですけど、家族もいる家で毎日勉強し続けるのは大変でした」
同じ高校の女子生徒(17)は「疲れました」とため息をついた。どの教科も知識よりも思考力を問うような問題が増え、だいぶ頭を使ったという。試験科目ごとの間隔も長かった。「模試と違って休憩時間が40分以上あるので、机の上で待つ時間が長く感じた」と話した。
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北海道、大きなトラブルなく2日目終了 稚内も予定通りに
17日は北海道内26会場では大きなトラブルはなく、前日は暴風雪で中止となった稚内市の稚内北星学園大でも予定通り試験が行われた。
今年は新型コロナの影響で授業が遅れた現役生を対象に30、31日に第2日程を設けている。体調不良で受験できなかった人の追試験や、稚内北星学園大会場の再試験も同日程で行う。
09:30
2日目開始 理科から
大学入試センターは17日午前9時半、大学入学共通テスト2日目の試験が始まったと発表した。最初の教科は理科①。
「サクラサク入場券」を販売 近畿日本鉄道と名古屋鉄道
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受験シーズンが本格化する中、近畿日本鉄道と名古屋鉄道が「サクラサク入場券」を販売中だ。主要駅で660円で購入できる。6600セット限定。
両社は、ともに桜にちなんだ「桜駅」と「桜井駅」があることから企画。絵馬に見立てた台紙にピンク色の入場券4枚を並べて、桜に見立てた。
学問の神様、菅原道真をまつる北野天神社(愛知県江南市)の祈禱(きとう)も受けた。担当者らは「コロナ禍でがんばる受験生に春が来るのを願っています」。
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09:00
2日目、遅延や繰り下げの連絡なし
大学入試センターは17日午前9時、大学入学共通テストの2日目について、午前8時までに各試験会場から列車の遅延や試験開始の繰り下げの連絡は入っていないとした。初日の全教科の試験が中止となった北海道の稚内北星学園大学も予定通り実施するという。2日目は理科と数学が行われる。
21:55
初日のすべての試験が終わる 問題・解答を公表
大学入試センターは午後9時55分、大学入学共通テストの初日の4教科の試験がすべて終了したと発表した。センターはまもなく、ホームページ上に4教科の問題と正解を公表する。
19:30
視覚障害の受験生ら2人が再試験 問題誤送付
大学入試センターは午後7時半、北海道苫小牧市の会場で公民の「政治・経済」を受験予定だった視覚障害がある受験生1人への問題冊子について、科目を誤って会場に送付していたため試験を受けられず、30日に再試験となったと発表した。東京都内では、配慮が必要なため別室で受験予定だった1人も、会場での誘導ミスが原因で30日に再試験となったという。
18:30
難しくなったとみえるかも
大学入試センターの作問担当者が18時半、初日の地理歴史、公民、国語、外国語の問題内容を説明した。問題の難易度について、昨年の大学入試センター試験と比べ「全体的に問題の分量が増え、難しくなったとみえるかもしれない。ただ、実際は解答データを分析しなければ分からない」と述べた。
千葉でも再開テスト 別室受験の「濃厚接触者」も
千葉県内の試験会場では、英語のリスニング機器の不具合があったほか、新型コロナ関連では受験生から前日までの申告で別室で受験させるケースもあった。
神田外語大の会場では、英語のリスニングで機器の不具合があり、1人が中断したところからやり直す「再開テスト」を実施した。
別の会場では、自身はPCR検査で陰性だったとしたうえで、「自分は濃厚接触者です」との受験生から申し出をうけ、別室で試験を受けさせた。別の会場でも濃厚接触者が別室で受験した。また、「集団の中での受験が気になる」と申し出をした受験生が別室で試験を受けた会場もあった。
京大と和歌山大、2人がリスニング「再開テスト」
16日の試験会場となった京都大で、英語のリスニング試験を受けた受験生1人が、試験を途中からやり直す「再開テスト」を受けた。大学側が取材に明らかにした。
和歌山大の会場でも、リスニング試験中、受験生1人が機器の不具合を申し出た。このため再開テストを受けたという。
九州大でリスニング試験のトラブル 1人に機器不具合
九州大伊都キャンパス(福岡市)では、英語のリスニングでトラブルがあった。九大によると、受験生1人が試験開始後に機器の不具合を訴え、その場で中断したという。
この受験生は、新しい機器で試験を再開。時間を繰り下げて実施した。
18:30
試験を終えた受験生「緊張感はあったが、リラックスして臨めた」
名古屋大東山キャンパス(名古屋市千種区)では、午後6時半前ごろから英語リスニングの試験を終えた受験生らが続々と会場から出てきた。最寄りの地下鉄・名古屋大学駅出入り口には混雑が発生していた。
東海高校3年の阿部竜也さん(18)は一橋大経済学部を志望。コロナ禍で特に首都圏の大学ではオンライン授業が続く傾向にあるが、「東京で学びたいという気持ちは揺らがなかった」という。
試験内容については「各予備校が予想問題や傾向と対策を示していたけれど、英語の問題はどことも違っていた。自分は大丈夫だったが、リスニングでの1回読みも含め、『やばかった』と言っている人も多かった」と語った。「英語ではスマートフォンのチャットで返答することを想定した問題があり、実用的で新しい内容を出していると感じた」
「1科目ごとに換気するので少し寒かったが、暖かい格好をしていたので問題はなかった。暑くて頭がボーッとするよりはよかったと思う」。昼食については「食べたらすぐマスクを付けるようにし、皆守っていたと思う。朝からマスクを着けっぱなしなので、少し息苦しさがあった」。休み時間のトイレは少し過密と感じたというが、大きなトラブルはなく、「戸惑うことなく実力を出せたと思う。明日は数学と理科を頑張りたい」と話した。
愛知県立中村高校の女子生徒(18)は、リハビリテーションを学べる学部・学科を志望。「緊張感はあったが、それでもリラックスして試験に臨めたと思う」。「英語では長文読解の時間が足りないなど、全体としてセンター試験より難易度が上がったと感じた」という。「会場の換気や消毒など、こまめに対策してくれているのを感じて、それほど不安はなかった。トイレ休憩もある程度分散していて、特別過密とは感じなかった」という。
岐阜大(岐阜市)で試験を終えた私立富田高校3年のリマ・ヒデキさん(18)は英語について「グラフが出て、これまで解いたことがない問題なので驚いた」。県立長良高校3年の小原光貴さん(18)は「地理に目新しいグラフが出てきて考えさせられた。英語も問題の量が多くて焦った」と話した。同高3年の別の男子生徒(18)は「世界史はグラフの読み取りが多くて、センター試験と傾向が変わったと思った。知識を前提にして考えないといけないと思った」と話した。
17:45
島根・隠岐で停電が発生 リスニング試験中断
大学入学共通テストの会場となった島根県隠岐の島町の県立隠岐高校で16日午後5時45分ごろ、英語のリスニング試験中に停電が発生し、試験を中断したことがわかった。受験生42人が、試験を途中からやり直す「再開テスト」を受けた。
会場を運営した島根大入試企画課によると、同町内ではこの時刻に約25分間、停電が起きた。この影響で、教室のすべての照明が消えたため、暗くて受験生が解答できないとして直後に中断を決めた。復旧後の午後7時45分から再開テストをした。
16:15
JR常磐線で遅延、受験生4人が影響
大学入試センターは午後4時15分、茨城県日立市内のJR常磐線で遅延が起きたため、午後3時10分から始まる外国語の試験を受ける予定だった4人が影響を受けたと発表した。3人は遅れて会場の茨城キリスト教大学(同市)に到着し、別室で63分の繰り下げ受験となった。1人は受験を取り下げたという。
がんばれ受験生! 駅に応援メッセージ
大阪大に近い大阪モノレール山田駅(大阪府吹田市)で、受験生への応援メッセージが書かれた手作りのボードを見つけた。
16日午前5時半ごろ、駅係員が改札付近に掲げたという。「コロナ禍の中、大変なご苦労を重ねてきたことと思います」とねぎらい、「満開の桜が咲き誇るように」とエールを送る内容。サクラ型の紙で作った「サクラ」の大文字も添えられていた。
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大学入学共通テストが始まった16日朝、各地の駅の電光掲示板に、受験生への応援メッセージが流れた。
埼玉県鴻巣市のJR鴻巣駅では、午前5時からホームと改札内の電光掲示板に「合格祈願 受験生の皆さまへ 努力が良い結果に結びつくよう応援しております JR鴻巣駅」と流した。芳澤壮二駅長によると、駅の若手社員が「コロナ禍において、不安を抱えている受験生が実力を発揮できるよう、少しでも元気づけられれば」との思いを込め、メッセージを作ったという。
東京都八王子市のJR八王子駅でも、午前6時半からホームの電光掲示板に「がんばれ受験生! 新型コロナウイルス感染拡大という厳しい状況下で受験勉強に励まれてきたことと思います。最後まで諦めず日ごろの成果が十分発揮できるよう心より応援しております。八王子駅社員一同」と応援メッセージを流した。
大阪市都島区のJR京橋駅の環状線ホームでも、午前6時から「受験生の皆様へ これまでの自分の頑張りを信じて、今日の試験を『全集中』で突破して下さい。私たちもあなたに春が来ることを信じています。JR京橋駅 社員一同」と流した。
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10:10
暴風雪の稚内、30日に再試験 丸一日中止は史上初
大学入試センターは午前10時10分、北海道稚内市内で暴風雪警報が出たため、試験会場となっていた稚内北星学園大学での16日の試験を中止し、30日に再試験を行うと発表した。1日の試験をすべて再試験とするのは共通1次試験や大学入試センター試験でもなく、史上初めてだという。
センターによると、初日は73人が受験予定だった。このうち十数人がすでに大学に到着していたが、昼から夕方にかけて雪が激しくなるとの予報だったため、大学から連絡を受けたセンターは再試験を決定した。十数人には帰宅してもらっているという。センターは「受験生の安全を第一に考えた」と話した。17日の2日目は今のところ試験を行う予定。
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09:30
試験開始
大学入試センターは午前9時半、初めての大学入学共通テストが始まったと発表した。1教科目は、「地理歴史」「公民」。
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京都の受験生「体調整えてきた。いつも通り頑張りたい」
16日、初の大学入学共通テストが京都府内の15大学を会場に始まった。府内の志願者は1万459人。この日は地理歴史と公民、国語、外国語、17日には理科と数学の試験がある。
府北部唯一の会場の福知山公立大(福知山市)では約470人が受験。受験生らは入り口で手を消毒し、会場に向かった。府立西舞鶴高校の井川葵(あおい)さん(18)は「落ち着いて実力を出し切りたい」。感染対策で会場には保健師が待機し、一部の狭い試験室には試験監督者と受験生との間にアクリル板が設置されていた。
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京都市北区の京都産業大では約580人が受験。会場は席の間隔をあけるなどで収容人数を例年の3分の2以下に抑え、会場ごとに複数の消毒液が置かれた。市内の男子生徒(18)は「睡眠や食事に気を付けて体調を整えてきた。いつも通り頑張りたい」と意気込んでいた。今年は会場付近で高校や予備校の関係者らが受験生を励ます光景は見られず、受験生らは静かに会場に入っていった。
テストは16、17両日が「第1日程」で1万436人が志願。新型コロナウイルス感染拡大にともなう休校で授業が遅れた生徒を対象にした「第2日程」が30、31両日にあり、23人が受ける。
09:00
今のところ、遅延や繰り下げはなし
大学入試センターは午前9時、全国の試験会場で午前8時現在の状況を説明し、試験開始が遅延したり繰り下げとなったりする予定は今のところないとした。ただ、北海道では悪天候の地域もあり、一部の会場で繰り下げの可能性はあるとした。
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小雨の新潟、受験生「過去問なくて準備難しかったけど」
大学入試センター試験に代わる初の大学入学共通テストが16日始まり、県内では15会場で、1日目の地理歴史、公民、国語、外国語の試験が行われた。
県内会場で最多の3882人が受験を予定する新潟市西区の新潟大学五十嵐キャンパスでは朝、小雨が降る中、マスク姿の受験生たちが、ふせんの貼られた単語帳などを手に次々とやってきた。
同市中央区の櫛(くし)谷岳さん(18)は「コロナに絶対にかからないように、うがいや手洗いはしっかりしてきた。最後まであきらめずにやりきりたい」。同市東区の女子生徒(18)は、初の共通テストに「過去問がなく準備が難しかったが、学校が対策を用意してくれた。記述式じゃなくて、助かった。今まで通り、緊張しないように受けたい」と話していた。
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県内では事前に約9400人が志願した。2日目の17日は、理科と数学の試験が行われる。
08:00
マスク姿の受験生ら会場入り
名古屋市千種区の名古屋大東山キャンパスでは、午前8時ごろから次々とマスク姿の受験生らが会場入りした。昨年までの大学入試センター試験の際には、のぼりを数多く立てて予備校関係者らが受験生にチラシや菓子を配りながら激励する光景が一般的だったが、今回は見られなかった。キャンパスの入り口には「共通テスト時の受験者以外の東山キャンパスへの入場はご遠慮願います」と記された看板が設けられていた。
最寄りの地下鉄・名古屋大学駅のホームなどには、「合格を摑(つか)み取る人は、諦めない人だ」「試験会場でキミのこれまでを証明しよう」といったメッセージの書かれた大手予備校のポスターが多数貼られていた。
受験生は各教室に備えられたアルコール消毒液で手指を消毒してから入室。試験の注意事項などを説明する試験監督は、アクリル板越しに話していた。
名大によると、1科目終わるごとに教室の窓を約10分開けて換気を行うほか、教室によっては昨年のセンター試験時から1室の収容定員を半分ほどに減らして対応した例もあるという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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