台風15号による建物被害がさらに拡大している。横浜市は12日、住宅の損壊や浸水が計600棟を超えたと発表。屋根が飛ばされるなどして半壊と判定された住宅も出ており、「記録的暴風」による被害が深刻さを増している。他の自治体にも多数の被害情報が寄せられ、罹災証明書の発行も始まっているが、現場確認が追い付かず、全容はなおつかめない状況だ。
横浜市保土ケ谷区の住宅地。アパートオーナーの男性(57)は驚いた。2階建て物件の屋根が大破しており、近隣のアパートから飛んできたとみられる屋根が付近に落下していた。
男性は「こんなことは初めて。けが人が出なくてよかった」としつつ、「雨漏りしている居室もある。どうやって片付けるのか」と悩ましさを口にした。
市の集計によると、強風が主な原因とみられる住宅の一部破損は全18区で確認され、計593棟。旭区と磯子区では、屋根が飛ばされたり、落ちたりして、計6棟が半壊となった。
このほか、金沢区などで床上・床下浸水の被害報告が増えてきており、市の担当者は「被害の全容はまだ確定できない。さらに増える見通しだ」とみている。公共施設や事務所など、住宅以外の被害も100棟近く出ているという。
台風が通過した9日未明に観測史上1位となる最大瞬間風速41・7メートルを記録した三浦市。住宅関連の被害情報や相談は約90件寄せられているが、調査は12日に本格化したばかりだ。
「半壊の可能性があるケースもあり、知人宅に避難している人もいるようだ」と、市の担当者は被害の深刻さを説明。「今までの台風では高潮や高波を心配したが、強雨によってこれほどの被害が出るとは」と対応に苦慮している。
停電の影響が長引いた鎌倉市も被害把握が遅れている。「住宅の被害や倒木、崖崩れなど各部門から上がってきた情報は450件ほどあるが、まだ精査できていない」という。
神奈川新聞社
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