「シュート、シュート」。放課後の体育館に女子生徒5人の元気な声が響いた。県立下田高南伊豆分校(南伊豆町)の女子スポーツ同好会。週3回、60~90分ほどバスケットボールやバレーボール、ダンスなどに汗を流す。
全校生徒約80人。長年、女子生徒向けの運動部がほとんどなかった同校。女子生徒や保護者の要望を受け、2016年に同好会が発足した。競技志向ではなく、体力向上や運動を楽しむことを目的とした、いわゆる「ゆる部活」だ。
メンバーは中学時代、バレーボールやテニスなど運動部に所属。卓球部出身の2年稲葉凜さん(17)は「高校でも体を動かしたかった。上下関係なく、みんなでワイワイ運動できるところが良い」と同好会の魅力を語る。
静岡県教委によると、県内高校生女子の19年度運動部加入率は30・1%で、男子(63・8%)より運動機会が少ない。この傾向は全国でも同様。スポーツ庁は、運動部には競技力の向上以外にも「友達と楽しめる」など多様なニーズがあるとして、レクリエーション志向で行う部などの設置をガイドラインの中で提言した。
県教委も14~16年度、新たな運動部の形を模索するため、県立高に外部講師を派遣しヨガやダンスなどの講座を実施した。ただ、女子生徒に好評だったものの、「ゆる部活」の新設などには結びつかなかったという。担当者は「ニーズはあるが、教員の多忙化や予算の問題から部の新設などは難しいのが実態」と明かす。
女子の運動離れの傾向は、すでに小学生にも見られる。同庁の19年度調査で、1日1時間に相当する「週420分以上」の運動をする小5女子は30・0%(同男子51・4%)。スマートフォンの普及などで、今後さらに運動時間が減少するとの懸念も広がる。
県スポーツ推進審議会長の富田寿人静岡理工科大教授は「低年齢の段階から、運動に親しんでもらう取り組みが不可欠」とした上で、キーワードに「運動遊び」を挙げる。日本スポーツ協会は10年、遊びによって多様な動きを身に付けられる運動プログラム「アクティブ・チャイルド・プログラム」(ACP)を考案。富田教授も同協会のワーキング・グループ班長として普及を進める。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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