コラム冒頭からクイズです。
大学入試センター試験にて、過去3年で「防災」について必ず1問は出ている教科があります。その教科はなんでしょう?
早速ですが、答えは「地理」です。
2017年度は「沖積平野で見られる水害への対策・対応」
18年度は「防災・減災への取組みについて」
19年度は「津波による被害を軽減する設備」
についての問題が出題されています。
ふとしたきっかけで過去の大学入試センター試験の問題を見てみたのですが、私にとっては意外な結果という感想をもちました。
それは、なんとなく防災について触れられているのは「地学」という印象があったからです。
さらに調べてみました。
現在、高等学校で使われている「地理」と「地学」の教科書を、国立国際子ども図書館に実際に見に行ってきました(「地理」8種類、「地学」6種類)。
それらのうち、筆者が勝手に「防災」に関わる項だと判断したページ数を、教科書の全ページ数で割ってみると「地理」、特に「地理A」で「防災」に関わるページが多くみられます。割合にすると、10%弱を割いてる教科書があるくらいです。
一方で「地学」ではそれを大きく下回り、ある教科書では、400ページ以上あるのに「防災」については1ページだけというものがあります。
私なりに考えてみたところ、「地学」は「地球や宇宙での現象や歴史、その振る舞い」を学習するものであるのに対し、「地理」はそこにさらに「人間の振る舞い」が大きく関わってくる。「防災」を考えるにあたって、「地球上の現象」だけではなく「人間の振る舞い」が大きく関わってくるので「地理」に組み入れられることが多いのではないかと。
しかし思うに、「防災」について自分の命や大切な人の命を守るために欠かせない知識でありながら「地理」「地学」のどっちつかずで、きちんと学べるのだろうかと疑問に思うのです。
そこでいっそのこと、「地学」のうち災害をもたらす地球上の現象と、「地理」のうち防災に関わる分野を統合して「防災」という科目をそろそろ始めませんか、と。
日本はみなさん体験している通り、気象に関する災害・地象に関する災害(地震や津波、火山など)が世界的に見ても多発する国です。この日本で生き抜くためには、「防災」に関するリテラシーが当然必要なところではないでしょうか。基本的な知識としての防災教育が、万が一の際の「自助」「共助」を自ら進めるために必要だと考えます。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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