「長期育休中の旦那が孤独に見える」「パパ友がいない」。育児と仕事の両立に葛藤する父親の本音を書いた「#父親のモヤモヤ」の記事に対し、読者からそんなメールが届きました。男性も育児をするのが当たり前になってきましたが、一方で、その悩みを率直に話したり、共有したりする機会はあまりないのかもしれません。考えてみると、「ママ友」という言葉はあっても、「パパ友」という言葉はあまり聞きません。育児と仕事をめぐる「父親の孤独」を考えました。(朝日新聞記者・武田耕太、高橋健次郎)
夫のぼやきに孤独感じた妻
メールを寄せてくれたのは、神奈川県に住む30代女性です。
40代の夫は最初の子どもが生まれたときに5カ月、2人目の子どもが生まれたときに1年の育休をとりました。
夫も本格的に家事や育児を担う「ツーオペ」家庭です。
2人目の育休も後半に入ってきたころ、夫婦けんかが増えてきました。あるとき、夫は「『なんでもかんでも嫁がうるさくてさー』って誰かと言えたらいいのに」とぼやきました。
その姿を見て、女性は「ああ、旦那は家庭内のことを愚痴る相手がいなくて孤独なのだな」と思った、といいます。
「長期育休第一世代」ゆえのあきらめ
子どもをもつことになった後の男女の違いを、女性は「カテゴライズ」という言葉で説明します。
「女性の場合は出産後、『育児をしていて大変な母親』と自然とカテゴライズされ、まわりもそういう目で見てくれるように思います。『育児、大変だよね』という暗黙の了解がある。ちょっと愚痴れば、『わかるー』と誰かが言ってくれる。それに比べ、父親のモヤモヤした気持ちは誰かがカテゴライズしてくれるわけでもなく、愚痴る先もないのかもしれません」
長期の育休を取得する男性は、まだ珍しいのが実情です。長期育休、復帰、その後の仕事と育児の両立……。「そうした見本を持てない旦那は、すべて試行錯誤するほかなく、孤独なように思えます」
女性のような横のつながりも乏しい。ほかの家庭の情報も少ない。展望や悩みの共通化もできない。
「長期育休に入る男性がたくさんいたら、もしかしたらこのモヤモヤへの対処方法も確立していたかもしれないなあと思うと、『長期育休第一世代』なのかな、というあきらめもありますが、ぜひ記事を通して、ほかのツーオペ家庭のみなさんの悩みを知りたいです」
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース